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(by paco)9.11同時多発テロから10周年。

9.11は僕にとっても大きな転機になり、これを境に、知恵市場はじめ、いろいろなところで社会的な問題についての発言をより積極的にすることになった。

広告業界からキャリアをスタートさせたこともあり、ずっと受注ビジネスをやってきたわけで、顧客の側に主導権がある仕事で生活してきた(それは今も変わらない)。それゆえ、顧客の機嫌を損ねない、と言うことについてのセンシティビティは当然あり、社会的な発言が顧客との関係を悪化させることには、それなりに注意深くやってきた。

9.11以前に、発言の立場を明確にしたきっかけは、1995年に「生命保険がわかる本」を書き、これが日本の生命保険会社を強く批判する内容だったことにもある。当時の「外資系生保」を強く擁護する内容になっていたために、執筆者としての僕と、広告業界の人間としての自分にズレが出てきたわけだ。

「生命保険がわかる本」は、国内生保を批判しているのではなく、国内生保が作っている商品を批判しただけで、その批判に基づき、今は国内生保も批判を受けた商品を作っているし、外資系が逆の商品をつくっていることもある。さすがに15年もたつと、世界が変っている。

(by paco)「あらたにす」というサイトがあります。サイトの説明によると、

「あらたにす」は、「新しくする」の古語です。「新s」というロゴには「新(new)+s=NEWS」の意味があり、日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞の3紙の叡智を結集し、新しいことを次々生み出していきたいという願いが込められています。

というわけで、日本を代表する3大新聞が共同で運営しているサイトで、メディアリテラシー的にもなかなか興味深いサイトです(といっても、僕の評価は、あまり高くはありませんが)。

このサイトのコラムが、そこそこおもしろいのでときどきチェックしているのですが、先日こんなコラムが載りました。

筆者は「松本仁一 ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員」。
タイトルは、「イラク:米軍の8月撤退の後は?」。

なかなか<おとなの社会科>的なので、読んでみました。ふむふむ。珍しく、概ね間違っていないと思われる記事です。最後のあたりを引用してみます。

(by paco)普天間問題で鳩山政権が、というより、鳩山首相が「座礁」しています。メディアの報道を見ると、なんだか鳩山はただのアホ、という感じの論評が多いのですが、僕は必ずしもそういう見方はしていません。

もちろん、今のところ、「うまくやっている」とはお世辞にも言えないわけですが、どう解釈したらいいのか、分解してみたいと思います。

大きくいって、少なくとも4つの切り口があります。

・うちなーんちゅ(沖縄人)にとって、鳩山はどう見えているか
・民主党vs官僚の戦い
・普天間の海兵隊は必要なのか?
・対米従属vs東アジア共同体

ひとつひとつ考えていきましょう。

■うちなーんちゅにとって、鳩山はどう見えているか

twitterなどで見ると、沖縄の人々にとっては、鳩山首相の評判は悪くありません。特に自民党の歴代首相と比較した場合、自民党政権よりずっといいという評価が、特に若い人など一般市民の間ではあるようです。

その理由は、日本の首相として、はじめて沖縄の基地問題について、「県外移設や縮小、廃止」を前提に考えてくれた、ということです。自民党政権の、沖縄に対する視線は、ある意味植民地を見るような視線であり、沖縄に米軍基地を置くことをどこまでも既定事実とする態度でした。

日米同盟は最重要だと自民党政権は言い続けてきたわけですが、その同盟の核になる米軍基地の70%は沖縄においたまま。もし日米同盟がそれほど重要なら、本土にも相応の基地を置くべきで、沖縄という「辺境」においたままで「重要」と言い続けるのは、一般的な感覚では欺瞞に見えます。

(by paco)先週金曜日、おとなの社会科04「ユダヤと米国、民主主義」の最終回を行いました。これまで3回で学んできたことから、自分の視点で見て、何を学べたか、どう活かせるかを、受講者と一緒に考える回でした。

◆世界を動かす「意思」

前半では、ユダヤが米国を動かし、イスラエルというユダヤの国をどうやって存続させようとしているのか、そこからわかる、ユダヤ人の世界戦略について議論しました。

まず最初に、僕から、なぜユダヤについて関心を持ち、僕自身、何を学んだのかについて。

もともと、僕がユダヤに興味を持ったのにはふたつのきっかけがあります。ひとつは「日ユ同祖論」という考え方で、日本、特に皇室の祖先がユダヤ由来の人なのではないかという仮説です。これについては、これまでのコミトンに書いてきたので、そちらも読んでみてください。

244日本に来た東方ユダヤ人たち
">242 ユダヤ人のアイデンティティ
ユダヤ人って何?

ふたつ目の関心は、9.11同時多発テロのあと、いわゆる「ブッシュの戦争」が今も続く中で、「ネオコン」という言葉がクローズアップされて、そのネオコンがユダヤの指導者たちの考え方だということでした。

もともと「戦争はなぜ起こるのか」「戦争に訴えなくても紛争を解決する手段はあるはずだ」と考えてきた僕にとって、21世紀に入ってすぐに起きたこの戦争は衝撃でした。なぜ僕らの目の前で、あまり戦争の必然性がなさそうに見えるのに、戦争が行われるのか。その理由について、ネオコンの動きと米国政府の関係を調べていくと、ユダヤの発送が隠れていることに気がついたのです。

(by paco)先週木曜日に、whatセミナー「日本の現代史」day2を行いました。day1、day2で、現代史の基礎的な知識とメカニズムは頭に入れてもらったので、いよいよ今週のday3(最終回)では歴史から何を学ぶか、どんなことがわかるようになるのかをみんなでディスカッションしようと思います。

あらゆる知識はすべて同じですが、知識を吸収する主体である、僕ら1人ひとりがどのようなイシュー(問題意識)をもつかによって、学べることも、意味合いもまったく違ってきます。

学校時代に学んだ歴史では、年号や人物名、できごとを精確に理解することが歴史だと教えられてきました。つまり、「客観的」な事実を正確に生ぶことであり、だからこそ年号や漢字が重要でした。そのため、もっとすごいことには、ギリシャ人やアラブ人の人名をカタカナ表記したときにどのように書くと正解で、どのように書くと不正解、などということが受験テクニックとして教えられています。今でも覚えていますが、ギリシャ人の「ツキジデス」を「チューキヂデース」「ティーキュジディース」などと書くと不正解になるので、ヘタにギリシャ語に近い表示をしないで、「東京の市場は?」「築地です」と覚えなさいと、予備校の先生に習ったわけです。そんな話は覚えているのに、ツキジデスが何をした人か、さっぱり覚えていません。実にくだらないですね。

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(by paco)先週水曜日に、what?セミナー3「現代史」のday1をやりました。今回はかんき出版のご厚意で、セミナールームをお借りできたので、初の都心での開催です。その制もあって、人数もぐっと増えて、13名集まりました。


day1は先週、「コミトン433日本現代史のアウトラインをつかむ」に書いた内容に従って、1968年の明治維新を「近代」の起点に、20世紀からの現代(前半)の大きなストーリーをお話ししました。特にキーになるのが、

●1905年 日露戦争勝利→現代の始まり
●1918年 第一次大戦勝利→大日本帝国、図に乗る
●1931年 満州事変→大恐慌を対外進出で乗り切ろうとする
○1937年 支那事変(日中戦争)→中国大陸本土へ進出しようとして挫折の道へ
●1941年 日中戦争を解決するために、米国とのさらに大きな戦争へ
●1945年 敗戦と占領
○1952年 独立

という流れを話しました。1905年と1945年は「入口と出口」として、その間に、●のついた1918年、1931年、1941年が重要、ということで、この年号だけは頭に入れ、そこを軸に、歴史が動くダイナミズムとメカニズム(因果関係)を考えよう、ということをお話しした3時間でした。

今週木曜日のday2は、この期間の中でも特に、日華事変(日中戦争)から、真珠湾攻撃に至る、4年間に焦点を当ててメカニズムを明らかにするところから説き起こそうと思います。

(by paco)今週の水曜日から、whatセミナー3「現代史」が始まります。会場を都心(かんき出版のご厚意により、セミナールームを貸していただいた)に確保できたこともあってか、参加者倍増(といっても、12名)となり、充実してきました。

今週はセミナーの第1回に向けて、現代史を概観するために必要な、最低限の知識をまとめてみます。

歴史ですから、やはり年号から見るのが基本です。日本の現代史を見るときに避けて通れない年号は、以下の6個。これに前後のメルクマールを加えて、8個は覚えたいところ。

◆1968年 明治維新
■1905年 日露戦争
■1921年 ワシントン軍縮条約
■1931年 満州事変
■1937年 日華事変
■1941年 真珠湾攻撃(太平洋戦争開始)
■1945年 敗戦→被占領
◆1952年 日本独立回復

1968年の明治維新は、現代というより、近代史の始まりという位置づけですが、覚えていない人も多いので、一応押さえておきたい年号。1952年の独立回復は、そもそも太平洋戦争の敗戦によって日本が米軍によって占領されていたという事実を知っていればいいのですが、これを確認するための年号になります。

(by paco)今週は2本立てです。テーマがまったく違うので、記事も2本に分けました。

後半の記事はこちらをご覧ください。

まず最初は、先週からの続きで、ガザ侵攻について、さっくりまとめておきたいと思います。

先週の記事のあと、結局、両者停戦に至り、いったん戦闘は終結しました。これ以上の犠牲者が出ないことについては、ほっと一息だし、戦火が拡大して、世界に影響が広がるようなことがなく、よかったと思います。でも、問題は何も解決していないどころか、火種は大きくなる一方です。

まず、ガザに侵攻したイスラエルは、その目的を達することができたのでしょうか。戦争目的は、ハマスの攻撃力の破壊でした。しかし、実際には、ハマスの戦力はほとんど生き残っているといわれています。ハマスの戦力の中心はロケット砲(小さなミサイル)と、ライフルや自動小銃などを使った市街戦の戦力です。イスラエル軍は白リン弾まで使って人体への攻撃をはかったわけですが、3000人を超える死傷者の中で、ハマスの戦闘員は300?500人といわれ、被害のほとんどは一般市民でした。一方はハマスは、1万6000人程度の戦力を持っていると言われているので、ハマスは実質的に無傷に近い状態です。主要な幹部も生き残ったようです。

(by paco)先週に続いて、ガザ戦争について書きます。

ガザ戦争の行方によって、日本がどのような影響を受けるのか、考えてみましょう。

これまでの例の通り、イスラエルが勝利すれば、どうなるでしょうか。パレスチナではハマスの影響力が落ちて、穏健派のファタハが消去法的に勢力を盛り返し、中断している大統領選挙を行って、アッバスが再任される可能性があります。北のヒズボッラは無傷ですから大きな影響はないでしょうが、シリア、イランは不利な状況になります。特に、新しい中東の盟主になるべく、大言壮語を繰り返してきたアハマディネジャドは国民の支持を失って、イランが弱体化する可能性があります。イスラエルが勝てば中東全体は安定方向なので、原油の値段も上がらず、イランは石油収入が増えずに経済的にも困窮して、政権が不安定になるでしょう。イランの政権がすぐに崩壊することは、政治体制から見てないと思いますが、対話重視のオバマがイランを電撃訪問して、イランとの国交を回復、というようなこともないとは言えません。しかし、こうなったとしてもパレスチナ人の苦悩は深まるばかりで、ガザと西岸地区をイスラエル軍が封鎖し、飼い殺し状態がますますひどくなることは間違いなく、人道危機は高まると思います。これが次にどういう展開を生むのかはまったくわかりません。

(by paco)今週は、今一番気になっているニュースについて話します。イスラエルによるガザ侵攻です。

ガザ侵攻については、こちらにも記事を書いているので、それ以外の話をします。

まず戦況ですが、現状、実態についてはあまり情報がありません。イスラエル軍がガザを完全に封鎖しているために、報道陣も入らず、両軍からの発表以外の、客観的な情報がほとんどないためです。

一般的に言えば、イスラエル軍はこれまでのパレスチナ人との戦争で圧勝している例が多いし、イスラエル軍の装備は米国から最新鋭のものが調達され、戦車や航空機など、自らの身を守れる状況での攻撃が多いために、イスラエル軍が圧倒的に有利という見方をされることが多いのです。

しかしその一方で、ガザはハマスの「庭」に当たる場所で、すみずみまで熟知しています。そこにイスラエルは地上軍を進軍させたわけですから、戦場ではハマスが有利になります。また市街地ということで一般市民と戦闘員が混じっている場所での戦闘ですから、イスラエルの攻撃で非戦闘員の犠牲が増えるほど、国際的な非難を浴びることになり、戦闘継続が難しくなります。