(by paco)9.11同時多発テロから10周年。
9.11は僕にとっても大きな転機になり、これを境に、知恵市場はじめ、いろいろなところで社会的な問題についての発言をより積極的にすることになった。
広告業界からキャリアをスタートさせたこともあり、ずっと受注ビジネスをやってきたわけで、顧客の側に主導権がある仕事で生活してきた(それは今も変わらない)。それゆえ、顧客の機嫌を損ねない、と言うことについてのセンシティビティは当然あり、社会的な発言が顧客との関係を悪化させることには、それなりに注意深くやってきた。
9.11以前に、発言の立場を明確にしたきっかけは、1995年に「生命保険がわかる本」を書き、これが日本の生命保険会社を強く批判する内容だったことにもある。当時の「外資系生保」を強く擁護する内容になっていたために、執筆者としての僕と、広告業界の人間としての自分にズレが出てきたわけだ。
「生命保険がわかる本」は、国内生保を批判しているのではなく、国内生保が作っている商品を批判しただけで、その批判に基づき、今は国内生保も批判を受けた商品を作っているし、外資系が逆の商品をつくっていることもある。さすがに15年もたつと、世界が変っている。