Eco Businessの最近のブログ記事

(by paco)2050年ごろのエナジーシフトの想定は、「省エネを進めて使用エネルギーを2分の1程度にする」こと、その上で「限りなく全量を再エネで満たす」ことだ。

このようなシナリオに対する代表的な反論として、「コストが莫大になり、経済が失速して実現できない」というものと、「再エネにも環境破壊がある」という2点がある。

今回は、省エネ側のコストについて検討する。

■住宅の省エネ投資はストックとして捉えれば享受可能

まず先に、省エネ側を見ておく。

省エネで消費量を2分の1程度にするためには、当然投資が必要となる。代表的な例として、住宅と工場設備を取り上げる。

住宅では、住宅そのものの省エネ性能を上げて、特に空調に関わるエネルギーを大幅に削減することで、住宅での生活で必要なエネルギーを削減することができる。方法としては、断熱、気密と日照のコントロール、そして通風だ。すでに欧州では実用化されており、「パッシブハウス」と呼ばれている。

1b.jpg今年3月17日に、日本の主要な作業会の団体が連名で、新聞全面の意見広告を発表しました。日経と朝日に出したようなので、けっこう話題になったので、ご存知の方も多いと思います。また、広告を出している業界に属している方も多いと思います。

しかし、この意見広告、内容はなんとも無責任なもので、本当に情けない。詳細はこちらをみていただくとして、今週は、この広告を肴に一本書いてみようと思います。

■キャッチフレーズ

まず全体のメッセージを見てみます。ピラミッドストラクチャでいうところのメインメッセージはどこにあるのでしょうか? 本来はいちばん大垣されるキャッチフレーズにこめられているはずですが、そのキャッチは、「考えてみませんか? 私たちみんなの負担額。」なんとも遠回しな言い方ですが、負担額が大きいので、温暖化対策はやるべきではないといいたいと言いたいようです。

(by paco)先日、鉄鋼業界の環境キーパースンと会って意見交換する機会があり、その時に感じたことを書きます。

鉄鋼業界が最近主張しているメッセージとして、「セクター別アプローチ」という考え方があります。

今、世界の温暖化防止のフレームは、国ごとに削減わくを決める方法です。日本が6%マイナスというのも、このフレームに基づいて、京都議定書で合意されたことと言うのは、ご存知の通りです。

これに対してセクター別アプローチというのは、国ごとではなく、産業ごとに世界を横串にして、産業の特性に合わせた削減目標を持とうというものです。鉄鋼業界は世界の大手が集まって方針を決める。発電業界も発電業界で、重工業はその業界で、というやり方です。

日本は、ポスト京都議定書の国際的な議論の中で、このセクター別アプローチを主張しているのですが、世界の支持は得られていない状態です。なぜでしょうか?

(by paco)日経BPのサイトで環境コラムを書いていることはご存知と思いますが、3週前に書いた記事に対して読者(hamazakibashiさん)に噛み付かれ、対応に苦労しました、トホホ(^^;)。
記事1 / 記事2
記事だけでなく、記事下にある「コメント」もクリックして読んでいただくとおもしろいかと。

電力会社が盛んに販売しているエコキュート(オール電化住宅)は、確かに環境性能は悪くないのですが、いろいろ問題があり、僕は基本的に支持していません。それで、上記の記事では東京ガスはじめガス会社が対抗馬として出したエコウィルを推薦したのですが、その理由がふたつあります。ひとつは、エコキュートよりエコウィルの方が環境性能がすごくいい、と言うわけではないものの、発展途上で競争による切磋琢磨が必要な今のエコマーケットの中では、エコキュートだけが一人勝ちするのは、あまりよくないという点。もうひとつは、短期的にはエコキュートのメリットはあるのですが、長期的にリスキーだという点です。

(by paco)今週、12月13?15日の3日間にわたって、「エコプロダクツ2007」が東京ビッグサイトです。

僕は、4?5年前に行ったきりで、ここ数年は距離を置いていたのですが、今回は(オフィス文具や家具の)プラスグループからの依頼で、出展ブースで「トークショー」をやってほしいということで、昨日の最終日、行ってきました。その時のようすを、ちょっとランダムに報告したいと思います。

まず第一印象ですが、規模が大きくなり、活気が出て、非常に大きなイベントになったということです。まだ正式の発表はないですが、3日間で目標の17万人を超えて20万人は動員できたのではないかと思われる勢いでした。規模について言えば、数年前と比べると4?5倍の規模という感じで、各ブースも大きくなり、いわゆる東展示場をすべて使い切ったうえに、屋外展示でエコカーの試乗会などもやっていました。

(by paco)横浜市の環境政策立案は、その後も粛々と進行中です。

大きな目標値から、具体的な戦術まで、いろいろな議論をしているのですが、その中に、以前から僕が狙っていた「都会で薪ストーブ利用」が政策に組み込まれる可能性が、出てきました。まだ正式決定までには至っていないので、こちら有料版の方に書きたいと思います。

薪ストーブについてはこれまでもあちこちで書いてきたのですが、改めて、僕が薪ストーブやペレットストーブに注目している理由を書いておきます。

環境問題の中でも最も重要な問題である地球温暖化問題。その解決には、CO2排出を削減しなければならないのは知っての通り。そのための方法として、バイオマスエネルギーを利用するというのが、主要なソリューションのひとつです。バイオマスエネルギーとは、植物由来のエネルギーで、大きく、草質系と木質系に分かれます。草質系では、菜種やトウモロコシ、大豆を育てて油を絞り、それを加工して、エタノールやバイオディーゼルとして燃料として利用するという方法が中心です。一方木質系では、木をそのまま燃料にする「薪」と、細かく砕く「木質チップ」、おがくず状に砕いてから熱を加えて固める「木質ペレット」などがあります。

(by paco)先週は、CO2削減に社会全体が動いていく、という話をしました。今週は、その動きが、特に企業にどのように影響するか、もう少し具体的に見ていきたいと思います。

前回見たとおり、今後は、企業に2025年に30%削減というあたりを目標にした削減義務が課されることになります。この「義務」が、どのような義務になるかは、まだ明言できません。本当に「義務」になり、罰則が設けられるのか、努力目標になるのか、補助金などをセットで「あめとむち」政策になるのか。また、企業単位なのか、事業所単位なのかという問題もあります。罰則も、削減コストに相当する程度の大きなものになるのか、社名の公表など、名誉的なものになるのかは、今検討が進められているタイミングだと思います。

今の流れは、政府の動きが鈍いのに対して、自治体の動きが大きくなっていますから、当面は「東京都にある事業所」というような単位での「義務化」になっていくでしょう。その時に、「東京都に事業所を置く企業は、本社がどこにあっても、全社に対して」という義務づけの仕方もあり、この流れが強くなっています。こうなると、本社が大阪の会社であっても、東京に支社があれば、全社で取り組まなければなりませんから、大企業、中堅企業のほぼすべてがこの網の中に入ってくるでしょう。逆に、所在する事業所単位だと、東京には5店舗だけ、と言うような起業の場合、その5店舗だけやればいいということになります。しかし、その5店舗だけという負担に不満を持つ企業なら、5店舗を閉店して東京都にすぐ隣接する川口市や川崎市に移してしまうという選択肢もあり、こうなると網からこぼれます。ある自治体が規制を強化しても、事業が逃げてしまえば規制に効果がなくなります。その意味で、東京都という日本の中枢都市がアクションをとる意味はとても大きなものがあります。またどの規模の事業者までを網にかけるか、という議論もいろいろと進められています。

(by paco)僕は春ごろから、横浜市環境審議会温暖化部会の委員をやっているのですが、その間、市の環境政策、特に温暖化防止についていろいろな議論をしてきて、次第に骨格が固まりつつあります。もちろん、これまでも温暖化防止の政策はいろいろとられていたのですが、めざさなければならないゴールと比べると、十分な成果が上げられていない、というより、まったく不十分でした。今回は、ゴールに対して十分な成果を上げるにはどうしたらいいかという観点から政策立案につながる議論をしてきたので、いよいよ本格的に動き出すという状況が見えてきました。

横浜市は日本最大の「市」ですから、もちろんその規模だけで一定の影響力があります。しかしやはりなんといっても東京都が大きく梶を切った影響が大きく、東京都に引っ張られるように、今各地の大都市で環境政策の見直しが進んでいるようです。その中で、横浜市も東京都と並んで、イニシアチブをとるべく、政策立案を行っています。

(by paco)横浜市への環境政策の提言を考えています。市の上層部から検討してほしいという依頼があり、あれこれ考えているところです。今日はその素案のひとつを書いてみます。

いちばんやってみたいプロジェクトは、「緑のリサイクル」です。

横浜市は以前から緑を増やすことを政策に掲げていて、現状の緑被率を落とさずになるべく増やすこと、そして、水源の森林を保全することにも熱心です。横浜市の水瓶は相模湖と津久井湖で、その上流のひとつが山梨県の道志村を流れる道志川。横浜市では、市の範囲を超えたこういった上流地域にも水源保全のための予算を出してきました。横浜市の緑被率は30%を超えているので、けっこうな面積の森があるのですが、さらに市の範囲外に、水源地としての森に関与しているので、かかわりのある森は、意外に広いということになります。

(by paco)2日間にわたって行われたあすか会議の、day1の第2セッションは、「環境」「キャリア」「スポーツ」の各部課に分かれて行われました。

pacoは当然のごとく「環境」を選択。今年のあすか会議は、山梨県小淵沢のリゾナーレで行われたのですが、経営は日本トップの環境経営リゾートの、星野リゾート(株)ということで、リゾナーレで実際にやっている環境経営を現場で見て体験しようというセッションを行いました。一部で押しかけキュレータをしながら、事前申し込みをすませた30人ほどの参加者と、わいわいと楽しみました。

この分科会は、実際の見学ということと、僕自身、星野リゾートの環境経営については以前からずっと取材してきたので、特に目新しいことはなく、まとまったことを書くのはいささか面倒なので(いろいろな場所で書いてきたし)、ひとまず、こちらの資料を見ていただくことで、星野リゾートの環境経営の基本的な考えは理解してもらうことにしましょう。
pacoが書いたぼらんたーるの記事(PDF 9MB)
去年のあすか会議
星野リゾートの環境セクターの若きリーダー塩手さんのブログ