2006年5月アーカイブ

(by paco)今週のテーマは、アルバイトです。コミトンの読者は、いわゆる正社員で働いているか、自分で独立して仕事をしている人が多いかもしれませんが、世の中を見回すと、雇用の中心は製しゃんからアルバイトや契約社員など、不定期雇用に移っています。以前はフリーターという、アルバイトで働く人たちは「定職に就かない人々」という点で、個人の考え方に疑問を投げかける見方や、社会的な雇用システムを変えなくてはと考えるなど、いずれにしても「できれば減らしたい、なんとかしたい」というニュアンスが強かったと思います。

でも、現実には、正社員以外の雇用形態で働く人は確実に増え続け、採用全体では、企業から見てもワーカーから見ても、なくてはならないものになっています。「フリーターの増加」を心配する人も、自分の会社がアルバイトや派遣など、正社員以外の雇用者がいなければ、動かないことを知っているはずです。

最近の調査では、企業の側は、アルバイターに期待することと正社員に期待することに、基本的な違いはないという結果が出ています。特に地方の中堅企業では、アルバイターに商品開発や市場開拓を任せるということも珍しくなく、企業からの期待感は高まるばかりです。

確かにアルバイトの中には、より高度な仕事やマネジメント階層への仕事のグレードアップなど、まったく織り込んでいない作業員的なものもたくさんあります。でもそれと同時に、将来はさまざまな発展の余地があるアルバイト採用も、多くなってきているのです。

(by paco)今、ふたつの重要な法案が審議されているのを知っていますか?
ひとつは共謀罪、もうひとつは教育基本法の改正。

共謀罪とは、既存の犯罪、約600種類ほどを取り上げ、その犯罪を犯す可能性があるような「相談」をしただけで、というより、居合わせただけで、犯罪になると言うものです。しかも、そういう謀議の席に居合わせ場合、「やっていました」と名乗り出ると、罪が軽くなるという条文までついています。

たとえば、「アイツ、気に入らないから、夜中に帰宅するところを襲ってぼこぼこにしちゃおうか」と友だちが言い出したとします。まさか本気だとは思わず、「そうだよね、あいつはそのぐらいのことをしたっていいぐらいだよね」といえば、それで共謀罪が成立する、と解釈することもできるような条文、らしいのです。しかも「いや、それはやめた方がいいんじゃないの?」といっても、謀議に参加したことになった、と解釈されて、罪になる可能性だってある、らしいのです。

(by paco)ライフデザインを進めていくと、どうしても「ここ一番」というような場面に出会います。自分のやりたいことを、仕事のパートナーになってほしい企業や協力者に正式に説明しなければならないとき。見込み客を集めての、初めての説明会。あるいは、自分がやりたい分野の仕事を覚えるために、転職したいと思い、その面接のとき、ということもあるでしょう。

ライフデザインでは、世の中にある仕事の中からやりたいことを「選ぶ」のではなく、「自分がやりたいことを仕事にする」というアプローチをとります。その結果として、自分の考えていることは「ほかのだれもやっていないヘンなこと」のように感じられ、それを誰かに説明するとなると、けっこうテンションがかかるのです。

(by paco)3月に続き、札幌で仕事があり、そのついでに、今回は富良野?美瑛に行ってきました。北海道の中央部に南北に走る大雪山系の西側、空知川沿いに広がった盆地とその周辺の町です。

P1100077.JPG富良野はラベンダー、美瑛はパッチワークの丘の町として知られているのですが、今回は特に美瑛にちょっと感動したので、そのレポートです。

美瑛は、前田真三の美しい風景写真がきっかけで有名になり、今では年間40万人の観光客が訪れる人気スポットになりました。かくいう僕も、前田真三やそれっぽい写真でこの地を知り、一度いってみたいなーと思っていたのが、今回の旅行のきっかけです。で、その感想をランダムに。

(by paco)亜細亜大の学生にロジカルシンキングを教え初めて、4年ほどになります。今年は前期が入り立ての1年生50人には必須科目です。後期が選択クラスで上の学年20人ほどにじっくりゼミを行う予定なのです。

学生に教えていて感じるのは、「正解を教えてほしい」というマインドがとても強く、ここを突破するのが難しいという点。グループワークをやっていて、付箋紙を貼ったりはがしたりしながら議論をしているところに回っていくと、「これでいいの?」「どれかあたりがある?」と良く聞かれます。そのたびに「正解はないんだよ、どうやってもいいから、なぜそうなったかを説明できるようにすることがこのクラスでやりたいこと」と話します。

この説明で、ぴんと来る人と来ない人がいて、5?6人のグループに一人でもぴんと来る人がいると、ディスカッションはぐぐっと深まるのですが、一人もいないグループは戸惑いからなかなか抜け出せない。

うまく進むグループとそうでないグループの違いはどこにあるのかなと考えていたのですが、気がついたこと。

(by paco)統帥権の話をしてきたのですが、なぜそういうことに興味があるのかな?と自分でも不思議だったりもしていました。それが、立花隆の 「滅びゆく国家」を読んでいて、自分でも整理がつきました。

立花隆は、田中角栄の金脈を暴いた著書で世に出て以来、政治からサイエンス、テクノロジまでさまざまな領域で、実践的な取材と考察を行っていて、「知の巨人」という評価も受けています。最近は政治より脳科学など、サイエンス分野での執筆が多いように思っていたのですが、この本ではここ1年のリアルタイムの政治ウォッチを載せているので、立花隆が政治をどう見ているのかを追うことができ、近過去を定点観測するような、おもしろいつくりになっています。そのため、昨年の選挙で小泉自民党が負けると予想していたりして、立花隆も外すんだなと、ある意味、人間性が感じられていいのですが、そういう「余裕」をもって読める人でないと、「立花隆ってたいしたこととないな」と思う人もいるでしょう。amazonの読者評もそんな感じで分かれています。

(by paco)コミトン「251こころざし格差の時代」で、「意欲が高い若い世代が育っている」という話を書きました。それに類する話で、最近感じたことを書いてみます。

こころざしを高くもつ人には2種類いる、という話です。

先日あった学生は、理系バリバリで、元気がいい上に、はっとするほどきれいな女性でした。女子校から受験勉強ばかりで大学に入ったので、恋愛はお預けだったようですが、コレからモテモテ間違いなし、という感じです。名の知れた大学の理学部に入ったばかりで、いわゆる前途洋々、怖いものなんかないだろうという印象でした。
その彼女とは、別にライフデザインの話であったわけではないので、そんな話を聞こうと思っていたわけではないのですが、ちょっとだけ「将来はどんなことをしたい感じ?」と聞くと、それまでの明確な答えが急に濁るのです。あまり話したくないんだなと思い、深追いはしないことにしたのですが、同席していた彼女の友人が「Aちゃんはすばる天文台に行くためにこの大学に入ったんだよ」と話してしまったのです。それからAさんは急に不機嫌になって、とても居心地が悪くなったようで、ちょっと別人のように静かになってしまいました。