(by paco)255 緊張感のあるシチュエーションでやり抜く

| コメント(0) | トラックバック(0)

(by paco)ライフデザインを進めていくと、どうしても「ここ一番」というような場面に出会います。自分のやりたいことを、仕事のパートナーになってほしい企業や協力者に正式に説明しなければならないとき。見込み客を集めての、初めての説明会。あるいは、自分がやりたい分野の仕事を覚えるために、転職したいと思い、その面接のとき、ということもあるでしょう。

ライフデザインでは、世の中にある仕事の中からやりたいことを「選ぶ」のではなく、「自分がやりたいことを仕事にする」というアプローチをとります。その結果として、自分の考えていることは「ほかのだれもやっていないヘンなこと」のように感じられ、それを誰かに説明するとなると、けっこうテンションがかかるのです。

こういう緊張感の高い場面では、それに強い人と、負けてしまいそうになる人がいます。僕は断然、後者で、緊張感の高い場面はすごく苦手なタイプです、というか、でした。人前で話すなんてすごく苦手で、ひざはがくがく、声は震えるしという始末。よく言うような、「手のひらに人という字を書いての見込む」なんて、何の効果もないという人でした。子どものころやっていたピアノ(!)の発表会はドキドキするばかりでちっとも楽しくないし、テストも苦手、ある時間内に、他者が設定した場所で、つまり他人が作ったシチュエーションの中で自分のベストを尽くすということができる人ではなかったのです。そのこともあって、高校受験も大学受験も、まったく不本意な結果に終わり、本番に弱い自分を実感する、というより、トラウマを抱えることになりました。

こういう人にとっては、人前で自分のことを話すというのは、まさに苦手中の苦手で、もし否定的なことを言われたら、これまでの人生はまったく無意味なことになりそうな悲痛な気持ちになったりします。それだけ、自分の考えに思いが強いわけですが、でも伝わらなければ、その思いはどこにも行き着けません。

こういったシチュエーションで、緊張したり、上がらずに自分の考えを伝えられるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。

まずやりたいことは、人前で話す機会ができたということのすばらしさについて、考えてみることです。たとえ1人であっても、10人であっても、自分のようなニッチな人の話を聞いてくれようとしていることについて、「これってあり得ないよな、すばらしい人たちだ」と考えること。聞こうとしてくれるだけで本当に「有り難い」と思うと、あいさつやお礼の言葉にも気持ちがこもります。

その一方で、「なぜこの人たちは自分の話を聞きに来てくれたのかな?」と考えると、少し自信もつきます。来てくれている人は、自分の話に何かしら、ほかでは聞けない何かがあるということを期待してきてくれています。そして自分は、ほかのだれかがやったことではない、自分だけが見つけたことをやろうとしている。話す内容が相手の期待に添わないかもしれないけれど、知らないことを聞きたいという気持ちと、自分だけが知っているという気持ちだけは、一致しています。だとしたら、期待に添うかどうかはわからないにしても、期待に応えられるかもしれないと考えられるでしょう。自分の話など誰もおもしろいと思わないと思うと萎縮してしまいますが、「ほかでは聞けないからおもしろいかも」と思って集まっているのだと思えば、その「ほかでは聞けない」点をしっかり話せばいいのだと言うことに気がつくと思います。

自分だけが話せること、ほかでははなせないことは何かなと改めて考え、そこに集中することで、相手を満足させる可能性が出てきます。そしてそれこそが、最初に「自分のやっていることは、ほかの人と違う」ということと直結しているのです。

違うから、へんな道を進んでいるから、成功しそうにないから、だからこそ自分の話を聞きたい人がいる。そんな気持ちで話せば、少しはいま自分がやろうとしていることに自信が持てるものです。

自分が人と違うからこそ、その部分を聞きたがっている。一般論で誰もがすばらしいと思うことを話そうとすると「自分には無理だ」となりますが、人には話せない部分を話そうと思えば、「そこなら話せる」と考えられる。こういう考え方で自信が持てると、その人の話は、内容以上に魅力的になるものです。

そして、話のあとに批判的な意見が出たとしても、それによって自分の考えがもっとクリアにすることができると考えれば、それも「有り難い」ことなのです。(でも実際には、多くの場合、聞きたくて集まった人は、「初めて聞いた話」に対して、驚くほど好意的な反応をしてくれるものです)。

こういう感じがつかめると、それまで緊張感が高まるようなシチュエーションを、今度は「楽しむ」ことができるようになります。せっかく自分のような人間の話を聞きに来てくれたんだから、その期待に応えようと考えれば、楽しくなってくるものです。こういう状態になるといいね、という励ましの言葉が「enjoy!」なのです。

こうして人が話を聞いてくれるようになると、自分だけのやり方、ほかの人がやっていないことに、少しずつ自信が持てるようになってきます。これが、ライフデザインを実現する原動力になります。緊張感のあるシチュエーションをどう克服するかは、結構だ異な事でもあるのですね。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://w1.chieichiba.net/mt/mt-tb.cgi/69

コメントする