(by paco)今月の<おとなの社会科>07「地域活性化」で、「グローバルビジネス」と「田舎ビジネス」のコントラストについて話をしたので、それについて改めてコミトンにまとめると同時に、やや説明が不足だったところを補いたいと思います。
■田舎ビジネスとグローバルビジネス
グローバルビジネスについては、だいたい見当がつくと思いますが、代表例としてはマクドナルドやトヨタ、SONY、パナソニックなど、世界のマーケットで競争するビジネスのことです。
これに対して「田舎ビジネス」というのは、「Regional Business」といい変えてもいいのですが、地域に根ざした小さなビジネスのことです。
地域活性化には、この田舎ビジネスが欠かせないのですが、なぜかという話を、day1で行いました。地域が活性化していないという状況は、やはりお金が回っていないということがあるのですが、実は、お金というよりは「仕事が回っていない」「つながっていない」ということの方が大きい。田舎ではお金の有無よりも、「やることがない」「やることを自分たちで生み出せない」という従属状態、他者依存状態の方がずっと問題で、そのことが結果的に「経済がよくない」という言い方になる。
でも実際には、経済がよくなくても、仕事がきちんと回っていれば、田舎の低迷感はかなり提言されるのです。簡単な例を挙げれば、田舎ではお金を媒介にしない物々交換が今でも多く見られ、大工仕事ができる人がお年寄りの家を直してあげたりする。ただというわけにはいかないので、材料費をもらい、あとは野菜とか米とかをもらってくることもある。都会ではこれに対して、10万円とか20万円とか見積もりがつくわけで、この額がGDPとして国や地域の「経済状況」としてカウントされます。
GDPが低迷する田舎であっても、人々が必要とする仕事がお互いに回っているのであれば、問題があまりない、毎日やるべき仕事をやって充実している、という状況になるので、必ずしもお金がたくさんある必要はないのです。