2009年11月アーカイブ

(by paco)今週の水曜日から、whatセミナー3「現代史」が始まります。会場を都心(かんき出版のご厚意により、セミナールームを貸していただいた)に確保できたこともあってか、参加者倍増(といっても、12名)となり、充実してきました。

今週はセミナーの第1回に向けて、現代史を概観するために必要な、最低限の知識をまとめてみます。

歴史ですから、やはり年号から見るのが基本です。日本の現代史を見るときに避けて通れない年号は、以下の6個。これに前後のメルクマールを加えて、8個は覚えたいところ。

◆1968年 明治維新
■1905年 日露戦争
■1921年 ワシントン軍縮条約
■1931年 満州事変
■1937年 日華事変
■1941年 真珠湾攻撃(太平洋戦争開始)
■1945年 敗戦→被占領
◆1952年 日本独立回復

1968年の明治維新は、現代というより、近代史の始まりという位置づけですが、覚えていない人も多いので、一応押さえておきたい年号。1952年の独立回復は、そもそも太平洋戦争の敗戦によって日本が米軍によって占領されていたという事実を知っていればいいのですが、これを確認するための年号になります。

(by paco)what?セミナー2はこの前の水曜日、最終回でした。最終回は、フリーディスカッションでこれまでの学びを振り返りつつ、まとめを行いました。

■メディアが社会の変化に追いついていない

このセミナーの間、ちょうど僕は行政刷新会議に出席しはじめ、メディアに取り上げられる側にいたのですが、こういう立場になってみると、メディアの特性がよくわかります。

このところ特に注目されていた民主党参議院議員の蓮舫さんは、僕と同じ第三ワーキンググループなので、彼女のメディア露出は格好のメディアリテラシーの教材になりました。

特に、そのあたりのギャップをうまく表現してくれたのがコラムニストの小田嶋 隆さん。彼女の発言を、言葉で書くのと、テレビで見るのの違いを実にうまく表現してくれているので、ぜひ読んでみてください。

同時に、僕が書いた記事も、参考になると思います。

これまでの3回のセミナーで、(1)メディアが伝える情報が民主社会にとっていかに重要か、を学び、(2)(3)なぜ、どのようにメディアが伝える情報が偏向するか、見てきました。

上記のふたつの記事からだけでも、メディアの情報が偏向して伝わる状況と、そこから何を読み取るか、鵜呑みにしないことの重要性がわかると思います。

ではさらにもう一歩深めて、メディアが偏向する自体的な状況についても考えてみましょう。

行政刷新会議では、すべての議論は公開で進められるばかりか、その場にいなくてもネット中継で誰にでも見れる状況でした。蓮舫さんが怖い表情で質問する場面は放送されますが、なぜ蓮舫さんが詰問調になるのかについては、放送されず、記事にもなりません。

たとえば、仕分け人が基本的な質問をします。「この事業の予算のうち、下請けの独立行政法人に支払われるのはどのぐらいですか?」。これに対して、説明をしている役所の局長さんクラス(かなり出世した人)は即答できずに、後の部下に確認するという場面が多いのです。これまでも類似の質問がたびたび出ているにもかかわらず、回答を用意していない場面が多いので、仕分け人は「そのぐらいちゃんと用意しておけよ!」と詰問調になるわけです。

(by paco)「what?セミナー2 「メディアリテラシー」」の第3回が終わったので、そのまとめを書きます。

今回は、知恵市場ライターで出席してくれているJINさんが僕の話の内容をまとめてくれたので、それをベースに書きたいと思います。

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JINです。

Day3も学びの多い日でした!

振り返れば、pacoさんの「知恵市場」は、いつも
・本質を突き詰める
・Quality of Life向上に役立てる
ということを念頭に置いて書かれていると思います。
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では、JINさんの3項目のまとめをベースに進めていきましょう。

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■ジャーナリズムの本質は?

ジャーナリズムが国政上保護されている理由は、国民の国政を知る権利の前提となっているからです。そして、国政を知る権利はジャーナリズムが国政をきちんと吟味(Critik)してくれないと十分に確保されません。したがって、ジャーナリズムの本質は、「反権力」の立ち位置にいて、国政を十分に吟味する点にあります。

この「国政の吟味」という本質に立つならば、ジャーナリストは、マスメディアである必要は全くなく、個人であっても構わないし、資格は問われません(資格を問うてしまうと、ジャーナリズムが国家に管理されることになってしまいます)。

(by paco)「what?セミナー2 「メディアリテラシー」」の第2回が終わったので、そのまとめを書きます。

第2回のテーマは、「メディア特性とメッセージの偏向」でした。ひとことでいえば、メディアは公正中立な情報を伝えているわけではなく、必ず何かしらのバイアスがかかった情報を伝えている、ということです。このことを、メディアリテラシーの創始者・マクルーハンは「メディアはメッセージである」と表現しました。メディアは、それ自体がメッセージを含んでいて、どんなメディアによって伝えられたか、ということ自体が、メッセージだということです。

セミナーでは、具体的にいくつかの資料を用意しました。

■メディアがつくる構図で、理解がまったく変わる

ひとつは、最新の新聞記事で、始まったばかりの行政刷新会議についての記事です。産経新聞のこの記事のタイトルは「事業仕分けはまるで“法廷” 官僚は「被告」、財務省は「検察官」」と言うものです。

事業仕分けとは、各省庁が予算要求するときの「起案(企画)」について、内容を検討し、実施するに値するものと、値しないものに仕分けるというもので、鳩山民主党政権の目玉のひとつです。こ

(by paco)7月の「人生のwhat?を見つけるセミナー「日本の難点」」に続いて、先週から「what?セミナー2 「メディアリテラシー」」が始まっています。毎週水曜日の夜、全4回(残り3回)、社会を知る重要な手段であるメディアについて習熟し、それによって社会的な視野を獲得するための勉強会を進めていきます。これからの参加も歓迎ですので、興味のある方はいらしてください。

第1回のテーマは、「民主主義とメディアリテラシー」。テレビや新聞などのメディアが、民主主義や社会のありようと密接に関わっているという事実を学び、具多的な場面をイメージできるようにすることが目的です。

■まず、メディアとは何か、その定義付けを考えました。

メディアの種類としては、大きく活字メディアと電子メディアに別れ、活字メディアの中には、本、雑誌、新聞が含まれます。電子メディアは、ラジオ、テレビ、インターネットが含まれ、テレビの中にはケーブルテレビなどの有線メディアと、無線メディアが含まれます。

メディアの特性としては、同じ情報を大量の人々に伝える機能であり、その意味ではインターネットは「通信」のカテゴリに含まれて、「大量に伝える」ことが目的ではなく、Person to Personのメディアでした。英語ではCommunicationsのカテゴリですが、同じ機能を一同に大量に情報を提供することにも使えるため、Broadcasting(放送)としても使えます。そのため、インターネット革命を「通信と放送の融合」という言い方をしてきました。