2009年8月アーカイブ

(by paco)久しぶりに、デュアルライフについて書きます。今年の夏も今週末でおしまいというタイミングでもあるので、僕が何を楽しんでいるか、書いていきます。

毎年、GWが終わって日差しが強くなってくるころになると、「pacoさんは、今年の夏はどうするんですか?」と聞かれたりするようになります。GWまえだと、「今年のゴールデンウィークはどうするんですか?」と聞かれるわけで、年中行事なのですが、どう答えるかというと「八ヶ岳の家で過ごします」と答えます。よく知っている人だと、「毎回同じだなあ」とちょっとがっかりさせてしまうこともあって、どこかに旅行に行くとか、そういう答えが期待されているんだろうなと感じます。

旅行に行くことは、確かに誰にでもわかりやすい「お楽しみ」の時間の使い方なのですが、六兼屋で過ごすことは、なんとなくいつも行っている日常空間のような感じもあります。「別荘で何をしているんですか?」と聞かれれば、「庭仕事や薪割りとか、森の雑草刈りとか」と、これまたいつものような答えになってしまいます。

実際、今年の8月もほとんど六兼屋で過ごしました。雑草刈りをしたり、ペンキを塗ったり、ちょっと工作物を作ったり、山暮らしらしいことをやっていました。言葉にすると、ルーティンワークなんですが、実際のところ、何がおもしろくて、こういう生活をしているのかなと考えてみました。

(by paco)前回は宿題を出して終わりました。それについて考えてみましょう。

宿題の確認です。


★あなたは偶然ネットでこの記事を見つけました。その時、あなたが立てるべきイシューは?

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イスラム教徒用水着「だめ」 仏の公営プール拒否で論議
2009年8月13日12時19分
http://www.asahi.com/international/update/0813/TKY200908130090.html
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【パリ=飯竹恒一】パリ郊外に住むイスラム教徒の女性(35)が、体の線などを隠すようデザインされた同教徒用の女性水着「ブルキニ」を着て地元の公営プールで泳ごうとしたところ、断られた。プール側は「衛生上、着込んだ格好で泳ぐのはだめ」と説明しているが、女性は「イスラム教徒への差別だ」と反発している。仏メディアが12日に伝えた。

ブルキニは、イスラム教徒の女性が顔まですっぽりと覆って着用する「ブルカ」とビキニを合わせた造語。パリジャン紙によると、頭髪を隠すベール、体を覆うコート、ズボンからなる。オーストラリア在住のレバノン人が07年に発案したという。

女性は「イスラム教の教えに沿い、体をあまりさらけ出さずに水泳を楽しめる」とブルキニの着用を決めたが、プールを管理する地元当局は「イスラム教とは無関係。ひざ上まである半ズボンの水着なども認められない」などとして拒否。女性は納得せず、市民団体の支援も受けて法的手段も辞さない構えだ。

政教分離を徹底するフランスでは、04年に公立学校でのイスラム教のスカーフ着用が禁止された。公共の場でのブルカなどの着用禁止を求める声も強まり、国会に調査委員会が発足したばかり。委員の間では、ブルキニを含むスポーツをめぐる問題も調査対象にすべきだとの声が出ているという。
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(by paco)ロジカルシンキングを学んだことがある人なら、必ず出てくるのがイシューという言葉です。どういう意味だっけ?

「今考えたいこと」です。

単純なことです。

でも、この単純なことが難しい。今回は、イシューを使いこなす方法を考えていきます。

僕はロジカルシンキングの「研修」だけでなく、ワークシートスタディで回答してもらい、スコアリングとコメントを返すという仕事もしているのですが、その中の課題に以下のようなものがあります。

▼演習「少子化対策」
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課題文を読んで、以下の問いに答えてください。
(1)筆者がこの論説文を通じて伝えようとしているメインメッセージは何か?
(2)主張のための文章としてみたときに、事実と主張とのバランスは妥当か、妥当でないとしたら、その理由は何か?
(3)この文章のメインメッセージが主張として不適切である理由を説明してください。
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(by paco)今週は、2つの話題を取り上げながら、「だめな理由」を考えてみます。

■薬物汚染は「ダメ」なのか?

酒井法子が覚醒剤所持容疑で逮捕されました。前後して、酒井の夫も覚醒剤容疑で逮捕。さらに押尾学が合成麻薬で逮捕されました。

芸能界に薬物汚染が広がっているのは今に始まったことではないのですが、こう立て続けに逮捕者が出るのにはびっくりします。

薬物は、やる人とやらない人、というか、興味がまったくない人と、興味がある人+やっている人の差が非常にはっきりしているので、やらない、興味がない人にとっては、薬物使用の現状にはまったく興味が湧かないし、「特別な人のこと」と考えがちです。しかし現在日本は非常事態に近いぐらいの薬物汚染時代で、身近に薬物がある状況です。

ニュースになってもみんなすぐに忘れてしまうので、すこし前に複数の大学の学生が大麻を栽培、使用していたことで逮捕されたことも覚えていないかもしれませんが、世代を問わず、薬物使用は広がっています。

僕は大学で教えることもあるので、大学生には、必ず3つのことを話しています。ひとつは、薬物汚染、ふたつ目は性感染症、三つ目は鬱からの自殺です。大学生にとっても、この3つはかなり身近な存在であり、かつ相互の関係して起きる可能性もあるのです。

では、大学生に限らず、薬物に興味があったり、使用したりする人に対して、薬物使用がなぜいけないのか、あなたは説明できるでしょうか?

(by paco)先週金曜日、人生のwhat?を見つけるセミナー&ワークショップは無事全5回を終了しました。参加いただいた皆さん、タフなセミナーにおつきあいいただき、ありがとうございました。

僕自身としては、こういったセミナーは以前からやりたいと温めてきた企画だったので、意欲の高い受講者の皆さんに集まっていただいて、セミナーを開催できたことは、何よりの喜びで、いちばん得るものが大きかったのは僕自身であることは間違いありません。

今週は、全5回を通じて伝えたかったことを、改めて整理していきます。

■なぜ社会学か?

今回は、宮台真司という社会学者の本をテキストに、セミナーを行いました。「なぜこの本を選んだのですか?」という質問を受けるので、改めてここで答えておきましょう。

「日本の難点」を選んだ理由は、3つあります。ひとつ目は、人生のwhat?を定めていくためには、哲学とか社会学とか心理学とか、人文系の学問の知見のうちの少なくともひとつ、できればふたつぐらいの領域で、ある程度専門的な本や専門家の知見をきっちり学んでおくことが、効果的だという点。ふたつ目は僕自身、宮台真司は10年以上前から著作を読み続けていて、彼の基本的なスタンスや考え方に共感を感じていたこと(特に彼の知見がぶれていないことに大きな意味がある)、3つ目は宮台を代表格とする現代の社会学者の本の中では、この本は比較的読みやすく、かつボリュームも新書版ということで手頃だった、などが上げられます。