2008年3月アーカイブ

(by paco)今週は、ロシアとほかの地域について書いてみます。

ロシアは中国と並んで、ユーラシア大陸の「陸の国家」です。これに対して、イギリスや現在のアメリカは、海軍力で世界の支配権を握ろうとする「海の国家」で、このふたつの軸が現代史を読み解くときの基本的な視点になります。

ロシアはヨーロッパ文化に属する国で、ヨーロッパ大陸の東の端というポジションを確保してきました。これに対して西のはじに当たるイギリスは、中央にフランスとドイツという欧州の大国を挟んで、牽制し合う関係にあり、現代史の主役としてのイギリスの行動は、欧州の東端にあるロシアとの関係で読み解く必要があります。

イギリスは、18世紀に産業革命を成し遂げて、アジアに進出し、インドと中国を植民地化することで、海側からユーラシア大陸の覇権を確保しました。これに対して、遅れて近代化したロシアは、ユーラシアの北側を東に進出して、シベリアを確保し、北側から南下を図りました。北から南への「出口」として狙ったのが、インドの西のアフガニスタン、中国北部の満州です。世界地図を見るとわかるのですが、ユーラシア大陸の海側には、東から、中国、インド、と続いて、その西側にはイランを含めてオスマン朝トルコがイスラム世界に君臨していました。ロシアの南下政策は、この3つの大国のすきまを狙ったものです。インド洋や太平洋への出口の確保を狙ったことから、「不凍港」を求める政策という解釈もされています。ロシアはユーラシア北辺の国で、冬はほとんどの港が凍結し、動けなくなるので、出口を探していたのですね。

(by paco)先週の続きで、世界の動きをレポートします。

前回は米国の覇権の終焉について書きました。では、米国の覇権が終わったのちに台頭するのはどこか?

真っ先に思いつくのは、中国でしょう。急成長中の経済、13億を超える人口、長い歴史、広大な国土。どれをとっても、「次」を担うにふさわしい大国のように見えます。もうひとつの大国が、ロシア。こちらも1990年のソ連崩壊後の混乱を収束させて、プーチン大統領の下、資源を軸にした外交攻勢をかけています。

では、この2つの「大国」は、順調に米国が衰退したあとを埋めていくのでしょうか?

まず、中国。先週の記事から1週間で、事態はけっこう進展しています。チベット問題です。先週記事を書いた時点では、まだチベット問題はローカルなニュースでした。この1週間で、米国も欧州も動きを見せ、中国政府自身も火消しに必死になっています。

(by paco)日本では比較的平和な日々が進んでいる印象ですが、世界は大変動の前夜のような不気味な動きが広がっています。この動きが、悲観的な将来をもたらすのかどうかは、僕にもよくわかりませんが、目を話せない状況であることは間違いありません。もとより僕は国際問題の専門家ではありませんが、やはり世界の動きは気になっているので、最近ウォッチしていることについて、整理してみます。

まず、最初に取り上げたいのは、石油価格です。石油価格が連日最高値を更新していることはご存知の通りですが、この価格が本当に需給関係を反映しているのかというと、これがあやしい。いわゆる「原油相場の価格」はニューヨークの「マーカンタイル取引所(NYMEX)」で最も活発な取引が行われているため、ここで決まった価格が、中東や北海産の原油価格にも大きな影響を与えているのです。

(by paco)このところ、日本の「食」が揺れています。

昨年は、食品偽装「ブーム」で、あちこちで食品に関する不正が続出。今年に入って、「農薬入り餃子問題」が発覚して、こちらもどこに行くのか、迷走している感じです。

日本の食糧自給率の低さは以前から問題になっていたわけですが、こうして食に関する問題が噴出すると、自給率の低さが食の安全を脅かしているのではないかという意見も改めて注目されて、これから日本人は、食についてどう捉え、行動していけばいいのか、考えてみます。

まず、最初に、日本の食糧自給の可能性について。

日本の人口は、明治中期までは3000万人程度で、江戸時代から比較的安定した数でした。江戸期は270年にわたって鎖国状態ですから、まさに日本列島の中で自給自足の生活をしていたわけですが、この間、人口が増えていないことから考えて、平地が少ない日本の地形や寒冷地での農業の厳しさを考えて、日本中をのうちにして、3000万人程度しか養えないというのが、歴史的に言えることだと思います(実際には、1960年代以降、化学肥料、化学農薬の普及によって農地の生産性が上がったので、5000?7000万人程度なら養えるかもしれませんが、1億2000万人は無理でしょう)。

(by paco)「ネットカフェ難民」という言葉はすっかり有名になったので、知らない人はいないのではないかと思います。

いろいろな理由で日雇い派遣や違法な業務請負の仕事しかできない状況に陥り、困窮から定住するアパートを追われて、ネットカフェの深夜料金や、マクドナルドの深夜営業を利用して夜を過ごす、ホームレスすれすれの貧困層が、ネットカフェ難民です。

ネットカフェ難民の実態については、これまでいくつかTVドキュメンタリーが放送されてきているし、本も出ています。
ネットカフェ難民と貧困ニッポン

ネットにも情報が出ています。