2006年11月アーカイブ

(by paco)コミトン279「現実を見る力を持てない男たち」で、いじめで自殺した子どもの親について考えました。僕自身改めて読み返してみて、問題提起として適切だったのか、迷いがあります。人の気持ちをとらえることは、本当に難しい。

それでも、やはり一連のいじめのニュースが毎日気になり、何も考えないわけにはいきません。今回は、いじめを受けた子どもの視点で考えてみます。

日本のいじめ、特に最近のいじめは「陰湿だ」と言います。今のいじめの実態は、どのようになっているのでしょうか。

日本でいじめのニュースがたくさん出るようになり、どのことがドイツにも影響を及ぼして、ドイツでも「Ijime」という言葉がそのまま新聞に掲載されるようになったという記事がありました。Ijimeは日本だけの問題ではありません。しかし日本とドイツのIjimeにはけっこう違いがあり、ドイツでは移民の子どもがいじめられることが多いようです。

ドイツでは、民族主義に走ってユダヤ人を迫害した苦い経験から、戦後、積極的に周辺の国や民族との融和を図るために、移民を受け入れてきました。しかし異文化、異言語の移民たちにはやはり違和感を感じる市民は多く、特に経済環境が悪化して失業者が増えると、移民によって仕事が奪われたという誤った考えが受け入れられがちになります。この傾向は欧州各国に共通するところがあり、フランスでもイスラム教徒の移民が迫害され、逆に反発するというような軋轢が生じて、該当での抗議行動やクルマに火をつけると言った反社会的な行動につながっています。実際、すこし前にドイツを旅行した友人によれば、大都市から離れて排他的な雰囲気の農村部などに行くと、東洋人を顔をしているというだけで、きつい視線で見られたり、ひどいと石を投げられたこともあると話していました。

(by paco)先日、小4の娘さんがいるパパと子育て談義をしたので、今週はそのことについて書いてみます。

グロービスの受講生だったそのパパ、Qさんは、いま妻との間で、中学の受験をどうするか、相談しているというメールでした。小4の2学期といえば、あちこちの進学塾からDMが舞い込み、「公立中学は信用がおけない」「私立の受験を考える親が何パーセント」「受験はこのタイミングで」「親のかかわり方が成否を決める」など、もう言いたい放題のDMが次々と来るので、そわそわしはじめるのも当然です。

実際、公立中学は問題を抱えているところもあり、私立の方がいいのでは?と考えるのもよくわかります。Qさんは、子どもに受験を勧めるかどうかを、ロジックツリーをつくって考えるとしたら、こんな感じ?という図を作ってメールで送ってくれたのですが、それを見た僕とのやりとりが始まりました。

そのロジックツリーの中で僕が注目したのは、「娘にはまだやりたいことがない」という情報でした。どうやら、趣味や習い事も含めて、「これが好き」というのがなく、本人がこれから、こんなことに興味があるとか、将来こんなことをやりたいとか、そういうことを持っていないと言うことが見て取れたのです。そこで、こんな返信を返しました。

(by paco)最近、デュアルライフの話を書いていなかったので、季節のネタを書いてみます。

季節は11月、八ヶ岳南麓は秋から冬に一歩を踏み出す季節です。

薪の準備、枯れてきた草花の葉や茎の切り戻し、そして何より、この季節のお楽しみは薪ストーブの初炊きです。

例年、ストーブの初炊きは10月下旬。今年は秋、暖かい日が続いたので、11月に入ってからの初炊きになりました。夏の間、使わないストーブの上には、置き時計やぬいぐるみなんかが置かれているわけですが、こういったものを別の場所に移し、先シーズンの燃え残りの灰の上に、今年の薪を置き、着火剤に火をつけると、しばらくかいでいなかった、くぬぎが燃えるにおいがしてきます。すこし前まで、料理で使う火も熱くて汗が出ていたのに、この季節になると日の暖かさがからだに染み渡るようになります。赤い炎が、薪割りしたざらざらした表面をなめて、少しずつ焦がして、黒くなり、赤くなりして燃えていくのを眺めているのは、見ているだけで幸せな気持ちが湧いてくるのですが、ストーブマスターとしては、ぼんやり見ているわけにもいきません。薪ストーブにうまく火を入れるのは、特にしばらく東京にいて冷え切ったストーブに火をつけるのは、けっこう難しい作業です。薪ストーブ歴6年の僕は、自分のストーブのクセや薪のクセを熟知しているので、火の動きを見ていれば、次に何をすればいいのかがほぼわかります。

(by paco)福岡と岐阜で、いじめによる中学生の自殺が続きました。本当に痛ましく、同時に、怒りが湧いてくるのですが、それはそれとして、気になるのが両親、特に父親の対応です。

たとえば、岐阜県瑞浪市の女子中学生の自殺では、

「いじめを認めようとしない佐々木喜三夫校長の説明に対し、父親は終了後、報道陣に『娘のSOSは無視された。人間とは思えない』と怒りをあらわにした。」(asahi.com 2006.10.31)

と父親がコメントしていると報道されています。

この怒りは、当然です。学校関係者はとかく自己保身に走りがちで、これまでもいじめや教師による暴力など、多くの事件で、学校関係者が誠実な対応をしてきていない例はいくらでもありました。子どもを亡くした親として、不誠実な学校関係者を徹底的に追及するのは当然のことです。