Religious Lifeの最近のブログ記事

(by paco)白川郷から戻ってちょうど1週間たちました(前回記事)。実際に現場に行ってみて感じることを、自分の頭で咀嚼し、言葉にするまでには、1-2週間タイムラグがあるもので、そういえば、コピーライターをしていたころ、取材をしては原稿を書くという仕事を繰り返していたわけですが、取材から執筆まで、たいてい1週間はあけるようにしていました。時間が空くことで、余分なノイズを忘却していき、取材内容の骨格が浮かび上がってくるのですね。

この間、白川郷に行ったことのある人にも合うことができて、「どうだった?」と聞いたら、「よかったですよ?静かで、落ち着いていて、癒された」というので、「合掌(づくりの民家)はほとんど店とかになってなかった?」と聞いたら、「なってました!」というので、僕は「ふう?ん……」と、うなってしまいました。

白川郷は歴史ある伝統的な場所、そしてそこは世界「文化」遺産ですから、伝統的な暮らしがあり、その暮らしを支える合掌(民家)がある。つまり外観としての合掌は伝統的な暮らしをないほうしているからこそ、「文化遺産」なのであって、中身から伝統が失われていれば、それは「文化遺産」ではないのではないかと考えてしまう自分がいます。

まあ要するに、もうちょっと素朴なところを期待していたわけで、というより、本来の伝統的な生活が残っているからこそ、世界文化遺産なのではないかと思っていました。少なくとも、この点については「裏切られた」わけです。

(by paco)今週は2本立てです。もう一本の記事はこちらです。

週末、白川郷に行ってきました。名前は聞いたことがあると思いますが、世界文化遺産に登録された、合掌造りというかやぶき屋根の集落です。

飛騨の合掌造りは、ちょうど1年前の2008年1月に高山に行って、見てきました。

▼飛騨高山の町並み→こちら
▼高山の古民家と山車→こちら

このときは、あと少し足を伸ばして白川郷まで行こうかどうしようかと思ってやめたのですが、今回は、その白川郷をターゲットに、ちょうど折良くやっている「ライトアップ」を狙って観光客してきました。

まず、合掌造りとは何かという話から書いておきましょう。三角のかやぶき屋根が特徴の大きな民家の名前ですが、特に飛騨地方のかやぶき屋根は、ほぼ正三角形の60度傾斜の屋根を持つことと、破風(はふ)がそのまま三角形の壁になっていることが特徴です。合掌造りを理解する前に、一般的なかやぶき屋根の民家を見てみましょう。

kayabuki.jpgminka5.jpg一般的なかやぶき屋根の民家の場合、さらに破風から傾斜した屋根が広がって、屋根の長を正面にして見ると、屋根のファサード(立面)は台形になります。


IMGP2356.JPGこれに対して、合掌造りはその名前の通り、左右の手のひらを指先だけ付けて手首に向かって広げたような屋根の形をしているのですが、指先のすきまにできた三角形の部分を破風と言います。合掌造りは、破風が三角形になり、屋根の長辺を正面にして見ると、屋根のファサード(立面)は長方形になります。

(by paco)ふだんは宗教のことなどほとんど忘れている日本人がほとんどかと思いますが、「困ったときの神頼み」にはけっこうよくいきます。受験前になると各地の天神様はにぎわうし、妊娠を希望したり、わかったり、あるいは出産がすめば、安産の神様に行く人もたくさんいます。東京でいえば、安産といえば水天宮が定番で、若い女性が母親と一緒にお参りに来ている姿が妙に目立ったりします。

子供が生まれて30日目ぐらいにお宮参りにいく習慣もあります。特に初めての子どもの場合、成り立ての両親は勝手がわかっていないので、少しでも不安を解消するために、神頼みをしたくなるのでしょう。

(by paco)ユダヤ教と神道(日本の神社宗教)との関係について、何回かに分けて書いてきたのですが、改めて日本の神道について、僕が知っていて、皆さんが知らないかもしれないことを少しまとめておきます。僕自身、あまり体系的に学んだわけではないので、スポット的な情報になりますが、このテーマについて僕がどんなことを考えているか、途中経過の報告という感じです。

●ビルの上の信仰

P1090046.JPGまず、最近見た日本的な宗教の形について。札幌に仕事に行っていたという話は先週しましたが、その時に泊まったホテルから外を見ていたら、大通りを挟んで向かいのビルの屋上でおもしろい光景を目にしました。7階建てぐらいのビルの屋上に赤い鳥居と小さな社殿があったのです。まあ神社があることはそう珍しくないので、「ここにもあった」という感じで見ていたのですが、その日の夜、けっこう雪が降り、翌日の朝また見ていたら、屋上に男性が出てきて、雪かきを始めたのです。屋上の上がり口から鳥居、神社まできれいに「参道」をつくり、雪かきが終わると、神社に捧げる水を換えて、一段落すると、おもむろに鳥居の前で頭を下げてから前に進み、2拍手して参拝を始めたのです。けっこう、ていねいに参拝していました。