(by paco)白川郷から戻ってちょうど1週間たちました(前回記事)。実際に現場に行ってみて感じることを、自分の頭で咀嚼し、言葉にするまでには、1-2週間タイムラグがあるもので、そういえば、コピーライターをしていたころ、取材をしては原稿を書くという仕事を繰り返していたわけですが、取材から執筆まで、たいてい1週間はあけるようにしていました。時間が空くことで、余分なノイズを忘却していき、取材内容の骨格が浮かび上がってくるのですね。
この間、白川郷に行ったことのある人にも合うことができて、「どうだった?」と聞いたら、「よかったですよ?静かで、落ち着いていて、癒された」というので、「合掌(づくりの民家)はほとんど店とかになってなかった?」と聞いたら、「なってました!」というので、僕は「ふう?ん……」と、うなってしまいました。
白川郷は歴史ある伝統的な場所、そしてそこは世界「文化」遺産ですから、伝統的な暮らしがあり、その暮らしを支える合掌(民家)がある。つまり外観としての合掌は伝統的な暮らしをないほうしているからこそ、「文化遺産」なのであって、中身から伝統が失われていれば、それは「文化遺産」ではないのではないかと考えてしまう自分がいます。
まあ要するに、もうちょっと素朴なところを期待していたわけで、というより、本来の伝統的な生活が残っているからこそ、世界文化遺産なのではないかと思っていました。少なくとも、この点については「裏切られた」わけです。