2010年4月アーカイブ

(by paco)娘のウポルは、高2になりました。

高2と言えば、そろそろ進路が気になるお年頃。進学はどうするのか、受験はするのか、しないのか。そもそも将来どんな仕事をしていきたいと思うのか。そういったことがかなりリアリティを持ってくる時期です。

ウポルはシンガーソングライターをめざして、努力邁進中です。小さいころからダンスを始めて、今はダンスも続けつつ、音楽に力を入れていて、デビューし、音楽を仕事にしたいと思っているようです。

そんな中での進路選び。大人でも悩んでしまう、答えが出ない状況にあるわけで、そういう彼女について、今の僕の考えを書いてみたいと思います。ちなみに、コミトンはウポルも読んでいるので、彼女への私信のようになってしまうかも知れません。

先週、ウポルと話していて、だんだん自分が高校生だったときのことを思い出しました。ちょっと昔話におつきあいください。

高校2年生の夏から秋、僕もやはり進路について悩んでいました。建築の道に進むか、哲学を学ぶか、そんな分かれ道です。

僕の父親は独立して個人で設計と建築管理の仕事をしていました。自分で書いた図面をもとに家を作り、それを施主に提供するという仕事を、僕は小さな時から身近で見てきたし、家ができあがる建築現場に連れて行ってもらったり、図面ができあがる製図室にもいつも出入りして、父の仕事を見ていました。家ができあがるのはすてきな仕事だと思ったし、それは今も変わらず、家を作る仕事をしている人に対する敬意として僕の中にあります。

(by paco)「貧困化するホワイトカラー」(森岡孝二)という本を読んでいます。

学芸大学駅にちょっと風変わりな古書店があり、そこで待ち合わせで時間調整していたときに偶然見つけて、350円で買ったのですが、まあそれはそれとして。

タイトルの通り、ホワイトカラーは搾取されていることを明らかにいようという本で、内容は悪くないのですが、気になる点も多く、本質はどうなんだろう?と考えてしまったりするので、今週はこれを自分なりに分解してみたいと思います。

◆ホワイトカラーとは、正社員のオフィスワーカー

ホワイトカラーという言葉は、最近はあまり使われなくなる傾向もあり、「白い色のこと?」と聞く人もいそうな感じなので、一応言葉の定義をしておきましょう。「カラー」はえりの意味であり、白襟、白いYシャツを着ている人、つまりサラリーマンやオフィスワーカーの意味であり、特に今の時代の中では、正社員として働く会社員、オフィスワーカーをさしています。職種としては、企画職、営業職、設計や生産技術、事務職のうち、単なる処理ではなく、企画や判断的な要素を含んだ仕事(会計なら、入力ではなく、決算処理をある程度まで任された人)、会社に所属する有資格者(税理士や設計士など)がそれにあたります。

(by paco)日本は、中国にGDPの規模で抜かれたとか、まだ今年は大丈夫とか言っていますが、まあ、今年どうであれ、抜かれることは間違いありません。と思ったら、韓国にも抜かれるという記事が複数の雑誌に特集されているのを見て、あ?やっぱり、というような印象です。

ホンダがヒュンダイに米国市場で抜かれているとか、エレクトロニクス分野ではLGやサムスンに抜かれているとか。ちょっと前までは「亀山メイド」がブランドになっていたわけですが、それも風前のともしびで、名実ともにトップから滑り落ちようとしているのでしょう。

「そんなことじゃダメだ、もっとがんばらないと。日本にはまだまだポテンシャルがあるし、そうしないと貧困の問題も解決できない」というようにハッパをかける人もいますが、その一方で、「笛吹けど踊らず」で、何を言われてもいまさら火が着きそうにない焼けぼっくいになっているような日本人でもあります。

日本人は、僕たちは、もっとがんばるべきなのでしょうか、それとも、減速したほうがいいのでしょうか。

(by paco)僕の記事ではおなじみの田中宇(たなかさかい)が、ここ2年度、ずっと「景気は二番底に落ちる」という分析を出しています。

米国経済は、一見回復したように見えるが、単にオバマ政権による政策マネーが市場に流れ込んで、相場を押し上げているだけで、実体経済はよくなっていない、という分析です。

日本も株式相場やGDPなど、指標を見れば、少しよくなっているようですが、生活実感はよくなっている感じは少ないようです。これから、僕らの世界はどこに向かうのでしょうか。

実は、このテーマは僕にとっては「トラウマ」で、2008年秋に書いた「384日本経済は踏みとどまる」で、大はずしをしているからです(;_;)。タイトルの通り、リーマンショックの中で日本経済は「何とか勝ち組になれる」と書いたのですが、結果は、先進国の中でもっとひどい落ち込みを経験し、今もよくなったとはいえません。

予想が外れた大きな要因は、日本経済が外需に頼っている状況を見誤った点です。

◆外需に頼る構造と、内需縮小

1990年代のバブル期、円高に振れる中で、生産拠点を国外に出していきました。特に自動車は現地生産を進めて、トヨタやホンダは北米や欧州に生産拠点を置き、日本からの直接輸出を減らしました。ほかの製造業でも中国やアジア諸国に工場を作り、為替相場の影響を受けないようにしてきました。円高/ドル安・ユーロ安になっても利益を出すためには、外貨建てのビジネスをやっておくのがいちばんだからです。