2010年2月アーカイブ

(by paco)先週金曜日、おとなの社会科04「ユダヤと米国、民主主義」の最終回を行いました。これまで3回で学んできたことから、自分の視点で見て、何を学べたか、どう活かせるかを、受講者と一緒に考える回でした。

◆世界を動かす「意思」

前半では、ユダヤが米国を動かし、イスラエルというユダヤの国をどうやって存続させようとしているのか、そこからわかる、ユダヤ人の世界戦略について議論しました。

まず最初に、僕から、なぜユダヤについて関心を持ち、僕自身、何を学んだのかについて。

もともと、僕がユダヤに興味を持ったのにはふたつのきっかけがあります。ひとつは「日ユ同祖論」という考え方で、日本、特に皇室の祖先がユダヤ由来の人なのではないかという仮説です。これについては、これまでのコミトンに書いてきたので、そちらも読んでみてください。

244日本に来た東方ユダヤ人たち
">242 ユダヤ人のアイデンティティ
ユダヤ人って何?

ふたつ目の関心は、9.11同時多発テロのあと、いわゆる「ブッシュの戦争」が今も続く中で、「ネオコン」という言葉がクローズアップされて、そのネオコンがユダヤの指導者たちの考え方だということでした。

もともと「戦争はなぜ起こるのか」「戦争に訴えなくても紛争を解決する手段はあるはずだ」と考えてきた僕にとって、21世紀に入ってすぐに起きたこの戦争は衝撃でした。なぜ僕らの目の前で、あまり戦争の必然性がなさそうに見えるのに、戦争が行われるのか。その理由について、ネオコンの動きと米国政府の関係を調べていくと、ユダヤの発送が隠れていることに気がついたのです。

(by paco)[おとなの社会科セミナー]04ユダヤと米国 のday3が終わりました。今回はユダヤ人たちがどのように米国政府を動かしているか、そのメカニズムの発見です。

前々回確認したとおり、米国にいるユダヤ人は550万人ほどで、人口の2%にも満たない勢力です。そのままでは大きな影響力を行使することはできず、米国の外交政策もユダヤ人よりになることはまずありません。しかし実際には米国のユダヤびいきの行動は度を超しており、第二次大戦後、国連の安全保障会議で行使された拒否権の半分以上が米国によるイスラエル支持のためのものです。それほどの「ひいき」を、ユダヤ人たちはどのように実現したのでしょうか。

彼らの行動は、決して奇抜なものでもないし、非合法なものでもなく、実にオーソドックスです。しかし、考えられるあらゆる方法と徹底的に実行することで効果を上げている。この、あらゆる方法をとること、それを徹底的に実行すること、というあたり前のことをやりきれるかどうかが、結局のところ、小が大を動かせるかどうかの決め手になるのです。

その方法を具体的に見ていきましょう。

(by paco)[おとなの社会科]04ユダヤと米国 のday2が終わりました。day2では、米国と米国民が、どのようにユダヤを支持しているのか、その実態とメカニズムについて考えました。

今回は、day2(米国のユダヤ支持の行動)の内容を押さえつつ、day3(米国政治がユダヤ支持になるメカニズム)への橋渡しをします。

前号(コミトン446)で書いたとおり、米国の中でユダヤ人は人口の2%にも満たない少数派です。ユダヤ人にとって米国は、地球上の全ユダヤの40%ほどが住む主要な国ですが、その米国から見れば、ユダヤは少数派に過ぎない。

ユダヤ人から見れば米国をユダヤに好意的な状態にしておくことはとても重要ですが、米国にとってはユダヤ寄りの行動をとる必然性は特にありません。しかしだからといって、「米国がユダヤに好意的であってはならない」ことを意味しているわけではありません。

この構図を理解することが重要です。

◆米国の主流派はピューリタンのアングロサクソン系

ユダヤのことを考える前に、米国の主流派である、「キリスト教保守」について知る必要があります

(by paco)「人生のwhat?を見つけるセミナー4 ユダヤとアメリカ、民主主義」が始まりました。day2に向けて、ユダヤとアメリカの関係について、概観しておきます。

◆ナチスのホロコーストがイスラエル建国につながる

現代の中東問題は、ユダヤ人が建国したイスラエルと、もともとそこに暮らしていたアラブ人との間の紛争です。

アラブ人は、アラビア人といいかえられるわけですが、アラビア半島を中心に、西は北アフリカのモロッコ、東はイラク当たりまでに広がって済んでいる民族で、言葉はアラビア語、宗教はイスラム教です。国としては、西から、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビア、エジプト、ヨルダン、レバノン、シリア、イラク、クウェート、サウジアラビア、UAE、イエメンあたりになります。いずれの国も多民族国家なので、もちろんそれぞれの国にアラブ人以外の人たちもいます。また、上記の国以外にも周辺国にアラブ人が住んでいますが、概ね上記の国がアラブ人の国になります。

その、アラブ人が住む地域のほぼ中央に、イスラエルが位置しているのですが、ぜひ地図を見てください。

ユダヤ問題を考えるときに、ユダヤ人が決まった国を持たなかったという歴史を見て、ユダヤ人の3500年の歴史を全部理解しないと、ユダヤのことはわからないと考える人がいるのですが、実際にはそんなにさかのぼらなくてもユダヤのことはわかります。