2008年4月アーカイブ

(by paco)「仕事の効率」シリーズ、今回で最後です。


■他人の仕事に干渉する

前回、「自分の仕事を短時間ですませる」「会議を短くする」という話をしました。これらは基本的に「自分の仕事」をなんとかしようという方法です。これに対して、人に働きかけて、自分の仕事時間を短くするという方法があります。

たとえば、会議の時間が自分の仕事の時間を長時間化させているという場合、会議を何とかしなければ、仕事の効率は上がらないということになります。自分の努力で改善できるところは粛々と進めるとしても、せっかく自分ががんばっても、長時間会議でそれが相殺されてしまうとしたら、がっかりです。

同じ構造のこととして、連携して仕事をしている相手先が時間にルーズだ、という場合もあります。自分の仕事が単独では完成せず、隣のセクションと連携してやっている場面で、相手のセクションが予定を大幅に遅れてしまえば、自分はその後始末をするように、忙しくなります。このような場合も、相手のセクションと一緒になって問題解決を図る必要があります。

(by paco)先週に引き続き、仕事の効率化の話です。

前回、「まずやるべきなのは、ひとつひとつの仕事にかかる時間を短くする努力をすべき」という話をしました。「ムダ取り」で有名な山田日登志(やまだひとし)さんは、NHK「仕事の流儀」で実に細かなムダ取りの技を見せてくれました。見ていない方のためにちょっと紹介しておきましょう。

飛騨高山の家具工場。「曲げ木」という工程は、3人の職人が担当していました。これを山田さんは1人で、かつ半分の時間でやるように指示します。3人が4つの行程に張り付き、それぞれの仕事をしていたのですが、それぞれの行程では機械が処理している時間は職人がやることはありませんでした。ただ見ているだけです。実際に動いている時間を計ってみると、3人がそれぞれ別のタイミングに、半分の時間だけであることがわかったのです。そこで、担当を1人にしてほか2名をはずし、1人で機械の作業を待っている時間に、人がやることをやることにしました。部品を機械に入れる、出す、検品する、磨くといった一連の動きの中で、1メートル、2メートルというちょっとした移動の回数が多く、これがムダになっていることに気がつき、機会や作業台のレイアウトを変え、動作を変えていくと、実際に1人で半分の時間で同じ作業をすることが可能になったのです。見ているとあたりまえといえばあたりまえのことなんですが、担当の本人から見ると、夢を見ているような劇的な変化でした。

毎日あたりまえだと思っている所作の中にムダがあり、それが効率を落としている。山田さんのムダ取りはそういう発想から始まります。ムダを取り、人と場所を減らす。すると、仕事をしていた人は、ちょっとでも工夫しようとしていきいきしてくる。実際、上記の担当者は、最初の「むっとした表情」から、どんどん目が輝いてくることが、テレビで見ていたもはっきりわかりました。

(by paco)某大手企業でワーク・ライフバランスをテーマにコンサルティングしているのですが、抵抗もあってなかなかスムーズに進みません。知恵市場はQuality of Lifeがテーマですから、仕事と生活のバランスは重要なテーマのひとつ。ということで、今回は、いつもよりノウハウ面に振って、ワークとライフのバランスをとるために、まず仕事の効率を上げてみましょう、という点について考えてみようと思います。

今回のテーマの直接的なきっかけになったのは、その名もずばり、株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵さんのインタビュー記事です。
http://pre-cam.jp/msn/express/080201/vol03/talk1.html
http://pre-cam.jp/msn/express/080201/vol03/talk2.html

聞き手になっている今西さんが、「特に会社員は“残業は美徳である”と思いがち」「残業をやめてからのほうが、以前よりいい仕事が出来るようになって、私自身が驚きました」と発言していますが、この点がものごとを変えていく重要なポイントかなと思い初めて、書いてみることにしました。

(by paco)今週は、最近気になる社会問題を2つ、オムニバスでコメントします。

まず最初は、この季節になるときになる、「君が代斉唱」問題です。安倍政権誕生の直後に改正された教育基本法で、道徳教育と愛国心教育について、条文が追加されました。

前文に「公共の精神」を尊ぶことが掲げられ、第2条において「教育の目標」として「豊かな情操と道徳心を培う」ことが記載され、愛国心については、教育の目標の一つとして「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」があげられる形で触れられています。

この改正に前後して、極右思想を持つ石原慎太郎率いる東京都は、学校教育の場に国旗の掲揚と君が代斉唱を義務付け、さらに東京都の教育委員を派遣して、守られているかどうかの監視を始めました。これが2003年のことです。特にターゲットにされたのが、卒業式と入学式で、国家斉唱時に起立しなかったり、歌わなかったりする教員がチェックされ、その後、「再教育」や「降格」などのペナルティが課される事態が続いています。

以降、5年間が経過する2007年春までに、388名が「不服従」で処分され、今年も勇気ある「不起立者」が出ています。