(by paco)2006年、最終のコミトンになりました。そんなわけで、今回は今年あった大きな変化について考えてみたいと思います。
今年、2006年が、歴史の中でどのような位置づけになっていくか。つまり、今年起きたことの中で、将来につながる大きな事柄は何かを考えてみると、世界帝国、米国の劣化が非常に明確になったことだと思います。米国の劣化は、これまでも様々な角度から指摘されてきましたが、それでも米国が世界の唯一の超大国であることは誰も否定できませんでした。しかし、もしかしたら、2006年は米国の凋落が明確になったターニングポイントとして記憶されることになるかもしれません。そしてそれは同時に、「欧米」と表現される西洋文明の時代が少しずつ崩壊していく時代の始まりを意味するはずです。
西洋文明が世界で優位に立ったのは、実はそれほど古いことではありません。スペインやポルトガルが世界を分割した、というような歴史を習ったことがありますが、あれは当時のヨーロッパ人、特にローマ教会がスペインとポルトガルがケンカをしないように分けただけで、実質は中国やイスラム文明圏にヨーロッパ人が来て交易をしたというレベルで、力関係は決してヨーロッパ優位ではありませんでした。中央アメリカや南米大陸の文明がつぶされていったという例外を除けば、おおむね世界はいくつかの文明圏が独立して力を持っていて、西洋文明が優位ではなかったのです。