(by paco)前回の国旗国歌の話をつつけつつ、NPOの役割、そしてその間をつなぐ機能について考える。
■公共とは全員を包み込む利害調整機能
「公共」とか、「公」とは、ひとつの国や地域、社会を包み込むしくみのことを指している。
ここで重要なことは「すべての構成員」を包み込むことが重要だ。
日本では、公共とか、公共心というと、たとえば国旗だとか国歌だとかの話になることがしばしばだ。なぜ公共と国旗国歌が関係するのかというと、すべての人に対して、国旗や国歌に対して同じ考えを持つようにさせることができれば、国旗国歌が国民を包み込んでいるように見えるからだ。
そこで、公共を考える人は、国旗や国歌を全員に強制しようと考える。しかし、国旗も国歌も、必ずしも全員に受け入れられるとは限らないので、国旗国歌の強制は、結局、国民の一部を排除することにつながる。
国旗国歌を強制したい人、それを支持している人は、こう言う。「卒業式や入学式など、限られた機会だけじゃないか、それさえ国旗や国歌の決まり事を守れないのは、社会のルールが守れない人間だ」。こうして、国旗や国歌に疑問を持つ人は、排除されるか、あるいは排除された気持ちになる。