2011年4月アーカイブ

(by paco)今週も先週に引き続き、原発についてのFAQです。

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■原発推進はカネのためにやってきたのでしょうか。
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原発の推進の目的は何だったのか。推進論者の強硬な姿勢を見ると、よほどカネが儲かるのかと真意を疑いたくなりますが、半分あたっていて、半分違います。

当たっているというのは、原発を巡って多額な金が動いているという事実で、確かにカネは原発推進の大きな魅力になっているでしょう。しかし、特定の誰かが公金をたっぷり横領しているとか、そういうことではないし、原発だけが特別に汚職が多いというわけではないと思います。

しかしカネは無関係で、すべては日本のエネルギーのため、みながそれだけのために一生懸命やったのだというほど、好意的に理解することはできません。原発を進めることは、やはり「おいしい」のです。

(by paco)先週に引き続き、原発問題とエネルギーインフラの方向性についてFAQをお届けします。

★政策と政治的意思決定について

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■原子力はなぜ使われはじめたのでしょうか?
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1945年、第二次世界大戦末期に、米国は原子力爆弾の開発に成功して、最後の敵国である日本の攻撃に使いました。広島と長崎にはそれぞれ、ウラン型、プルトニウム型の原爆がおとされましたが、このふたつが違う方だったことからも分かるとおり、米国の原爆投下のねらいは、開発した原爆の威力を確認することに合ったと言われています。

原爆投下によって日本は降伏し、第二次大戦は終わりました。今後、大きな戦争が近い将来起こる可能性はなくなり、原子爆弾開発に関わってきた科学者や技術者は行き場をなくします。そこで、今度は兵器としての原子力ではなく、他の用途を考え、それが原子力を使った発電システムでした。

原子力の平和利用という名の下に、米国は「米国には向かわなくなった」日本に原発をプレゼントします。当時の米国は世界の王者としてたいへんに気前がよく、また東西冷戦を引き起こしつつ、「仲間」になった日本には原発や石油、自動車やエレクトロニクスなどの技術を分け与えて、懐柔しました。

(by paco)【iwato】でのやりとりから、シェアしたいものをまとめたいと思います。

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■現在のエネルギーインフラから、次世代インフラへの移行シナリオは?
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「移行プラン」の概要など、大きな政策は、ISEPを中心に議論されていて、プランBは用意されているのです。

(1)今年の夏は、ピークシフトで乗り切る。その上で。

(2)電力会社の統廃合を検討。送配電と発電を分離。発電は発電所単位など、大規模にならないように分離。

(3)送配電は、まず東西接続と、電力会社間を接続。これにより東電管内の電力不足を、全国の既存電源でカバーでき
(4)同時に、東西の周波数統一を行う。10年ぐらる。
いかかりそう。特に事業所の交流モーターがキー。ISEP案では西の60Hzに統合。これの根拠は不明。

(by paco)今回の地震の後に起きた原発事故は、「人災」であり、もっと踏み込んでいえば、「防げたのに防ごうとしてこなかった人々による、未必の故意による犯罪の結果」と僕は考えている。もちろん、これには、さまざまな反論や意見があるだろうことはわかっている。多様な意見があること自体、よいことだ。

ただ、ひとつ、ぜひ共有しておきたいことは、今まで同じ人々に、同じようなプロセスでの意思決定をゆだねていると、問題の本質はまったく変らず、形を変えて同じようなことがくり返されるだろうということだ。

今回、原発が事故を起こして批判を受けているので、当面は原発推進は表には出てこないだろう。しかし、これまでの意思決定システムが温存されれば、わずかな冷却期間をおいて、再び原発温存と推進に乗り出すことは間違いない。その理由は、今回は書かない。しかしもし現状を変えようと思ったら、単に原発反対をいうだけでは、何も変わらない。声がちょっと弱まったすきを突いて、巧妙に推進に転じる。それが彼らのやり方だ。

では、現状を変えるために、なにをしなければならないのか。