2009年6月アーカイブ

(by paco)前回に続き、「日本の難点」を読み解きながら、「人生のwhat?」を見つけるアプローチについて考えます。前回は主に「はじめに」の部分を解題したので、今回は第1章を深めていきます。

前回は「普遍主義の理論的不可能性と実践的不可避性」について考えたのですが、今回考えるのも、これを別の角度から深めるというアプローチです。

第1章では「若者のコミュニケーションはフラット化したのか」「人間関係が希薄になっているのか」というイシューがたてられます(p.20)。宮台はこの問いにYESと答えつつ、具体的に深めていきます。

人間が自分の存在を理解するためには、他者の存在が必要です。人間は1人単独では、自分が何者かを確立することができない、やりにくいという原理があります。自分が自分であることを理解するためには、「他者とのコミュニケーションの履歴ゆえに自分は揺るぎない」と考えることが、自分が自分であることを理解することを意味している、ということを理解するところから始めなければなりません。

(by paco)6月30日から、「人生のwhat?を見つける」セミナー&ワークショップを始めます。そのテキストとして使うのが、「日本の難点」(宮台真司-幻冬舎新書)です。毎回、1章を取り上げ、テキストにコメンタールを加えながら、社会を見る軸(イシュー)を発見し、宮台の軸の有効性/無効性と、別の軸の発見などを行った上で、僕を含めた出席者がそれぞれの見解を考えるという手順で進めようかなと思っているところです。

今週は、そのための準備もかねて、「日本の難点」の序章と第1章のキー概念について、整理しておきたいと思います。セミナーに参加する方にも今回の記事を転送し、コメンタールの参考にしてもらおうと思います。

「はじめに」の中で、最初に提示されるイシューは(p.4)

「欧米的普遍主義から普遍的普遍主義へ」
「リベラリズムの普遍的構想から、政治的構想へ」
「個別主義から個別主義的普遍主義へ」

とか呼ばれる状況だと宮台はいきなり提示します。たぶん、何をいっているのか、さっぱりわからないと思います。実は、僕も同じです。

(by paco)「子供が生まれると変わる男女の関係」とタイトルを書いたものの、なんか普通のタイトルだな?と思いつつ、書いてみようと思います。

今の男女は恋愛の末に結婚するので、お互いに自分と相手の距離の取り方のパターンができてから結婚に至ります。この、結婚前後の男女関係を見ていると、僕らもそうだったんですが、実際のところ、子供がえりした関係になる傾向があります。幼児語を使ったり、子供のような遊びをやってみたり。実際、僕らも結婚前後は妻は僕を「お兄ちゃん」と呼んでいた時期があり、2人で旅行をしたペンションの男湯で、「妹さんと来ているの?」と聞かれたこともあります。こちらとしては普通の習慣になっていたので、かなりびっくりしたというか、確かにそのように取られると、すごく変なカップルに見えるよなあと感心したり。本物の近親相姦カップルは、それとばれる呼び方はしないと思いますが。

生まれ育った家族の元から独立して、一人暮らしをしたり、それに近い独立した生活ができるようになって、あらためてであった人と新しい「家族」をつくろうとする家庭で、お互い、子供に戻って「成長」し直し、カップルの関係を大人に成長させていく、というプロセスが、2人の関係を創造していく家庭で有効なのではないかと思います。

(by paco)Life Design Dialogueではキャリアデザインとプライベートライフのデザインを一緒に考えて進めます。たいていの人はキャリアデザイン中心ですが、プライベートの話を深く聞くことも結構あります。もちろん、僕の方から聞き出すわけではなく、基本的には本人が話すことを聞く立場です。僕の方からは、プライベートの状況が仕事にどう影響するのか、その逆はどうか、という観点で、全体の影響関係の話をして、必要ならどう考えていくべきかを一緒に考える、という感じです。

同時に、純粋にプライベートライフのことの相談も時々あって、30-40代の場合、やはり夫婦関係や、子供も含めた家族関係の話になります。

ここまで来ると、夫婦仲がうまくいっていないとか、場合によっては離婚したいという話になることもあり、文字通り人生相談になっていることも多くあります。

ということで、今週は、結婚しているカップルの関係について、考えてみます。

いろいろな人と話をして、共通して感じるのは、結婚して子供ができてからのカップル感のコミュニケーションは本当に難しいなあという点です。子供が生まれて最初は、わりとよいスタートが切れることも多く、いい感じの家族だなあと思うことが多いのですが、子供が2?3歳になると、だんだん雲行きがあやしくなる例があります。