(by paco)548情報発信力をつける方法(4)

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(by paco)このシリーズも何気なく始めたのに、今回で4回目になった。たぶん、今週で最終回になると思う。

■なぜtwitterやfacebookがあるのにサイトを作るのか。

この問いに対する答えは、連載(1)で書いた

「facebookやtwitterなどSNSは確かにつながりをつくるのには強力だったが、かといってアーカイブとしてのwebサイトを手放すわけにはいかない」

という点に尽きる。今回はもう少し詳しく説明したい。

アーカイブ(書庫)機能は、facebookにもtwitterにも一応ある。特にfacebookのプロフィールページのタイムライン表示は、個人の履歴になっていて、アーカイブ機能そのものだ。

しかし、実際には弱点が多い。

facebook上で書き込んだ僕のメッセージは、確かに消えずに残っている。しかし、あるメッセージをURL指定でピンポイントで示すことはできない。またタイムライン上では僕自身が発信した情報も、誰かのメッセージに僕がコメントした情報もフラットに載ってしまう。さらに、僕のようにさまざまな分野でのメッセージを書いていると、あらゆる情報がカテゴリわけされずに、時系列に並んでしまう。写真だけのものも、社会批判的なものも、<おとなの社会科>のプランもすべて時系列のみの秩序になる。これはアーカイブといしては機能していないのと同じだ。しかも、facebookでの検索は基本的に名前の検索になっていて、記事内容の検索にならない。

この状況はtwitterも同じだ。検索は名前だけでなく、記事内容も対象になっているもの、検索機能は弱く、あるはずの記事が出てこなかったり、出てきても時系列でスクロールの深いところにいってしまう。名前とキーワードのクロス検索も弱い。

結局、自分の発言だけを集めて、特定の発言をあとで誰かに参照できるようにするには、twitterやfacebookとは別のサイトが必要になる。

発言はfacebookやtwitterに直接行うのではなく、自分のサイトで行い、それをなるべく自動でfacebookやtwitterに投稿してくれる機能のが望ましい。

今回のリニュアルでは、発言のカテゴリごとにサイトそのものを分けているが、さらにそのサイトでのカテゴリ分けをしている。

もっとも詳細に分けているのは、【エネこみ】 と <おとなの社会科> だ。どちらもサイトにカテゴリリンクがあり、サイト上で、必要な情報にアクセスしやすくしているのに加え、内容ごとにページをつくっているので、特定の内容だけのリンクを示すことができる。たとえば、<おとなの社会科>の料金体系はこのページをダイレクトに示せる。この記事をfacebookに入れただけでは、あとでリンクを示すことができず、時系列的に古いことばかりが伝わってしまう。

さらに、一覧性やデザイン性、ビジュアル面も重要だ。今回のリニュアルではどのサイトも全面的写真を使い、ビジュアルな一覧性を重視している。特にpcxTodayR-side はトップページから文字を極力廃して、写真だけが並ぶようにしている。もともと本文中にも文字情報はぎりぎりまで排除しているので、写真表現のみでサイト自体が構成されている。

ちなみにこのふたつの違いは、pcxTodayがデジタル写真で、スマホかデジカメで撮ったものを極力スピーディにアップする日記的なサイトであり、R-sideはフィルム写真を掲載している。作品性を重視した写真で、文字も写真の説明だけにならないように詩的な要素を入れている。もちろん見る人にとってはそのような違いはどちらもでもいいことだ。写真と文字をただ楽しんでもらえばいい。ただ、こちらの気持ちが違うので、サイトも分けている。

■発信力で実際どんなメリットがあるか?

では情報発信をしていくと、具体的にどのようなメリットがあるのだろうか。

直接的には、僕自身の活動を広く知ってもらうと言うことになるが、それならfacebookとtwitterでも充分ともいえるだろう。

アーカイブをつくる目的としては、問合せなどの時にいちいち詳細を書く必要がなく、情報のあるページのリンクを教えるだけで済むというスピードにある。<おとなの社会科>っていつやっているのか、いくらなのか、などの問合せに、サイト全体か、あるいは特定ページのリンクだけを伝えればいいので、説明は最小限になる。放射能のことが気になりますね、というメッセージをもらえば、【エネこみ】の放射能関連のページ
http://enecomi.com/wordpress/?cat=44
http://enecomi.com/wordpress/?cat=43
を教えればいい。

こちらからのメッセージもぶれなくなるし、相手にとってもまとまった情報が得られ、かつ、ついでにサイトの他の情報も見てくれるので、活動を理解してもらえる。サイトにアーカイブがないと、その時のやりとりだけでおわってしまうのだ。

すこし前までは、こういったリンクを教えるやりとりがけっこう多かったが、最近ではリンクを教える必要もなくなってきた。facebookやtwitterを見てくれていれば、僕のアーカイブサイトも自動的に頻繁に参照してくれているのだと思う。本題としての、その人と僕との固有のやりとりだけをすればよくなった。たとえば、放射能汚染の一般論はわかったけど、「自分が住む街ではどう考えればいいのか」というやりとりで済むので、目的が速く果たせるのだ。

情報の密度が上がると同時に、こちらから伝えられること、相手から教えてもらえることに注力でき、効率がよくなっている。情報発信の方法論を構築するのはそれなりに手間がかかるが、いったんつくって機能させてしまえば、生産性が一気に向上する。僕がたくさんの仕事をこなせるのは、こういったやり方が背景にある。

アーカイブをつくっておくことで、日常的なやりとりは少なくなったりする。以前ならメールをくれたようなときに、facebookやサイトで情報がとれてしまうので、向こうから見ればそれで充分、僕からのメッセージが伝わってしまうこともあるようだ。久しぶりの友人に会っても、あるいは初対面の人と会っても、僕のやっていることや考えを正確につかんでくれていてこちらがびっくりすることもあるが、それだけ情報発信が機能しているのだ。

こういったことをやることでb、ビジネス面でもメリットが多い。特に<おとなの社会科>は、非常に斬新なコンセプトで、わかりにくく、かつ実績も乏しいうちから、多くの研修会社や営業の方々に高い評価をいただき、企業研修としての実施実績も増やせた。その背景には、詳細な情報を一気にアーカイブしておいたために、こちらからの説明が伝わりやすく、またクライアントも精確に理解してもらえているからだと思う。実際、<おとなの社会科>を検討中の企業に訪問して説明するときにも、<おとなの社会科>のコンセプトへの理解が深く、誤解がないことがほとんどだ。これは営業担当の皆さんが正確に伝えてくれていることが大きいが、そのための情報源をそろえることができたことも大きい。

さらに、継続して情発信を続けていくことで、僕の主張自体の信頼性が上がり、思わぬ仕事の依頼になることもある。働き方やワークライフバランスの研修、コンサルティングの仕事は、僕のデュアルライフを紹介する知恵市場の記事や、八ヶ岳の生活の写真を頻繁にアップしていることが大きなきっかけになっている。企業の次世代リーダー育成の研修やコンサルティングも、ライフデザインの相談についてのアウトプットや、<おとなの社会科>で書いているこれからの志やリーダーシップの話がきっかけになっていることがわかっている。

これらに加えて、ネットとは別に、単行本をコンスタントに出し、ある程度売れていることも大きいだろう。はじめて本を出したのは1995年(「生命保険がわかる本」)だが、それ以来、17冊の本を出し、たぶん、累計40万部以上は出ている(正確にカウントしたことがないが、そんなものだろう)。

ワンピースの最新刊の初版が400万部と聞くとがっかりするが、比べても仕方がない。また、これだけ多くの方に知られているのに、これだけ情報発信しているのに、<おとなの社会科>に来る人数は、それに見合っては増えていないじゃないかと思うこともある。twitterのフォロアーも1000人を前にまったく増えず、これもイライラする。facebookの友達が爆発的に増えることはないし、ブログのアクセス数が爆発することもない。努力が報われているのか、それとも報われていないのか、正直よくわからない。しかし、僕は報われるためにやっているわけではない、といつも考えている。

いずれにせよ、僕が生きることは、文章を書き続けることだ。好きな写真も撮り続ける。誰かに聞かれれば、知っていることはどんどん教える。それを、少しでも有効に使うために、発信やアーカイブを使っているだけなのだ。そこから、これまでのような効果が出ているのであれば、僕自身はそれ以上望むつもりもない。望むつもりないと思っているから、爆発的に支持されることもないのかもしれないが、この矛盾だけは、長年やっても解消されないし、これからも解消されないのかもしれない。

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