(by paco)先週水曜日、【エネこみ】カットオーバーミーティングを開いた。
集まったのは29名。開催場所を提供してくれたデジタルハリウッド大学の学生(僕のクラスの受講生)や大学教員、またクリシンOBやさまざまな場所で出会った方たちが大半で、久々に見る顔も多く、非常に暖かい中で進めることができた。来ていただいた方々、ありがとうございます。
ミーティングの模様は、すでにサイトにアップ済みなので、ぜひ聞いてほしい。
http://enecomi.com/wordpress/?p=84
ミーティングに来ていただいた方は重複するが、【エネこみ】の活動の重要なところを再度まとめておきたい。
【エネこみ】の活動のねらいは、大きくふたつある。
ひとつは、エナジーシフト。脱原発を進め、再生可能エネルギーを中心の社会に変えていく。
ふたつ目は、ポリティカルシフト、政治を変えること。
このふたつを同時に進めるという視点を持って現状に望むことが【エネこみ】のねらいであり、同時に進めないと、あるべき社会が到来しない。
まずこの構造を共有することが重要だ。
なぜ両面からのアプローチが必要なのかという点については、これまでもコミトンやおとらじスペシャルでくり返してきたので、詳しくは書かないが、ざっとまとめておくとこんな話になる。
エナジーシフトが実現されたとしても、それが政治シフトによるものでなければ、うれしくない結果をもたらす。原発は、電力村、原子力村と呼ばれるような、限定されたメンバーによって推進されてきた。反対する住民には「非科学的」というレッテルを貼って排除し、税金を投入して一部の住民を味方につけた。万が一の事故の際は、電力会社は1200億円までしか負担しなくて済むように法律を作ったが、もしこれが、通常の企業の事故のように、無限の賠償責任を課したら、どれほどの額になるか想定もできないと言うことになり、リスクを経済的に負えないことで、原発を推進することはできなかった。
いわば、強引な手法を積み重ねて原発を推進したきたのだ。
エナジーシフトが起きるとしても、これまでようなやり方では、幸せな状況にはならない。一部の関係者が原発をやめることを決め、代わりに風力発電にしようと言い始めたら……。風車が立てられそうな場所を勝手に選んで、いっぺんに1000基も設置する計画を立て、地元で反対が起きれば札びらで頬をたたくようなことをして風車をつくれば、風車も地域に愛されなくなってしまう(原発が地域に愛されないのと同じように)。
風車は原発よりは事故のリスクや健康被害がずっと少ないとはいえ、ゼロではない。立地する地域住民の意向を踏まえ、合意をつくりながら進めなければ、風車が不幸な社会をつくることになりかねない。
脱原発・エナジーシフトを進めることと、それを民主的な合意形成によって進めること(政治シフト)は、僕たちの社会が次のフェーズに進めるかの重要な判断軸になる。
【エネこみ】は、この両方を見ながら進むことを重視する。
次に、【エネこみ】の手法。
まずエナジーシフトがどうして合理的なのか、なぜ原発や火力をやめるべきなのか、再生可能エネルギーは本当に使えるのか、という点について、情報を提供していく。実は、この点についての情報は、すでにネット上にあふれているのだが、あまりに量が多く、また質の面でもあまり適切でないものも多い。【エネこみ】では、僕が選択した、厳選情報を掲載していく。合理的判断が可能な情報、表には出てこない情報を選び、なるべくコンパクトな解説と意味づけをしながら、掲載していく。
僕が選んだものは適切といえるのかという問いは、妥当な問いだ。信用がおけるのか、一方的ではないのか。もちろん、その可能性はある。しかし可能な限り公平を期し、基礎的なデータを示している情報源を使って、説明していくことで、読者なりの判断が出来るだろう。
サイトで記事を読んでいくことで、なぜ現状のエネルギー利用ではダメなのか、なぜ再エネが頼れるのかを理解できるようにしていく。現状、コンテンツはまだ少ないが、順次充実させ、7月末をめどにある程度完成された情報量にしていくつもりだ。
エナジーシフトの情報と並行して、政治の状況も入れていく。なぜ問題が起きたのか、どのような意思決定が必要なのか。
【エネこみ】サイトでは、これらの情報をコンテンツ(読む、聞く、見る)として掲載する。これが「知る」機能だ。
「知る」ことができたら、「行動」する。
【エネこみ】では、ごく一般のビジネスパースン、市民が、政治に影響を与えるための新しい方法を実行する。従来、一般市民が政治にメッセージを伝える方法として、署名が使われた。しかしこの方法は、実効性がなかなか上がらなかった。
そこで【エネこみ】ではネットのしくみを使い、「よい情報」を発信したり、行動を取る人たちに「応援」を送り、逆に、状況を後ろ向きに動かすセクターには、「No」のメッセージを送る。
送り先は、政治家、メディア、行政、企業、団体。
エナジーシフトと政治シフトを進める方向の活動や情報発信には、応援のメッセージを、逆の活動には、非難のメッセージを。
たとえば、大手メディアが載せないような、放射線問題の情報を掲載した新聞には、「記事の内容がよかった、もっと載せてほしい」と送る。あまりにウソが多い原発推進の発言をする政治家には、「正しいことを言ってほしい」と送る。
こういったメッセージは僕や【エネこみ】スタッフ、関係者が送った場合、【エネこみ】サイトで送り先と送ったメッセージを掲載することで、他の人がどんどん手軽に遅れるようにすることがねらいだ。もちろん同じ内容で送るかどうかは、送り手の自由、自分の考えで書き換えておくってほしい。
http://enecomi.com/wordpress/?p=93
http://enecomi.com/wordpress/?p=41
リアルタイムで流れているツイッタ上で行動を取りやすくするためのツールとして、「エネまる/エネばつ」を用意した。
ツイッタ上で、「シフト」を進める発言には「#enemaru」タグをつけ、逆には「#enebatsu」を、スタッフがつけている。これが【エネこみ】サイトにリアルタイムで流れてくるので、これをリツイートしたり、返信したりして、同じように、よいものを広めたり、悪いものに反論したりを手軽にできる。
また、情報の確認などのために、facebook上にページをつくり、
http://www.facebook.com/enecomi
掲示板機能を持たせてあるので、質問や提案などはこちらでやっていく予定。最新情報もアップしているので、コメントしてほしい。
と言うことで、全体としては、
「エナジーシフト」と「政治シフト」
の両面からアプローチすること、それについて、
「理解を深める」
こと。
そしてネット上で手軽にできるアクションの方法を提示して、多くの人が実行できるようにすること。
これが【エネこみ】の機能だ。
ぜひ今日から、活用して、僕たちの社会をよい方向に動かしてほしい。
コメントする