(by paco)前回は猫を飼うところまでの話しでした。
今回は、実際に飼ってみてという話なのですが、そのまえに前回とも重なる話をします。なぜ、血統書付きの純血種なのか?
血統書付きの純血種の動物は、いわばブランド品で、もちろん値段も高くなります。僕はブランド趣味はあまりないのではありますが、クルマなんかはブランドも評価するし、まあ、ものによって適当に対応しています。猫についてはどう考えたのか。
もともと僕は日本猫のありきたりでのんびりした姿が好きなのですが、妻と娘は動物についてはブランド派で、まあ、それならそれでいいかと思っていました。
では純血種は何がよく、何が問題なのでしょうか。
純血種についてはAllaboutでこんな説明を見つけました。
「猫の性質はそれこそ、千差万別。100匹の猫がいれば100通りの性質があり、同じ腹から生まれた兄弟猫とて、同じ性質を持っているとは限りません。しかし長い間かけてブリーダーがスタンダードに基づき作ってきた純血種と呼ばれる猫たちには、それぞれの猫種ごとに似通った性質や特徴があります。」
http://allabout.co.jp/pet/cat/closeup/CU20071010A/
猫について調べるにつれて、ねこは犬より血統が重要だということがわかってきました。犬は買主との関係を強く結ぶ生き物で、ボスと手下の上下関係として理解します。しつけもけっこう効きます。しかし猫をしつけるという話はあまり聞かないし、あまりしつけは聞かないといわれています。上下関係を結ぶわけでもないし、犬と比べると独立独歩。ということは、飼ってからキャラクターを変える余地が小さいということで、持って生まれたものがその後の性格に大きく影響するということです。
実際飼ってみると、猫もちゃんとしつけが効き、人間との関係を結ぶのですが、やはり犬のように仕込むことは難しく、単純な例では、食事の前の「おすわり」や「おて」などは、ねこはやりたがりません。やはり猫の方が持って生まれたものが大きく影響するという一般論はありそうです。
純血種とは、人間が長年、何世代にもわたって管理し、その猫らしい性格や外観を決めて維持管理してきた生き物なので、人間が好ましいと感じる性格が取捨選択されています。猫種ごとに、その猫らしいキャラクタが決められていて、それに合う猫がキャットショウなどでも優勝し、そういった猫がより多くの子孫を残せる傾向があります。
人間がその猫種に何を期待するかは、猫種ごとに違いますが、もちろん、人間が勝手に決めたことではなく、その猫のキャラの中から、よいと思うものを選んでいるだけで、かってに「創造」しているわけではないのは確かです。ですから、純血種のキャラクタがそのネコにとって望ましくないというわけではなく、寄りつき会いやすい形質が残されて、好ましくないものが淘汰されつつあるということを意味しています。
たとえば、ねこはもともと肉食ですから、わりと噛みたがりますが、噛むことは愛玩動物としてはよくないことで、噛みたがる猫は子孫を残せなくなり、次第に噛まない猫が残っていきます。被毛もその猫の特徴の中から、より「らしい」手触りや色が残されていくわけです。その一方で、世代を超えて先行を続けてもなかなか好ましいキャラクタが優位にならないねこは、買う人が減っていくということもあるようです。長毛種のペルシャ猫は、優美な姿に対して性格はなかなかきつく、世代を超えて形質を残してもなかなか変わらないのでしょう、最近は若干人気が薄いようです。
純血種には、その猫種に応じたキャラクタがあり、子猫を飼ってもそのキャラが出やすいと期待できるわけです。どんなキャラになるかわからないねこよりは、期待値が一定の幅に収まりやすいので、飼い続けやすく、買主もねこも幸せになりやすい、というのが純血種のよさになります。生き物ですから、いったん飼い始めれば、10?15年という寿命をまっとうするまで飼い続けるのが義務です。子猫のうちはどのねこもかわいらしいものですが、大人になるに連れて気に入らないキャラクタが主に手に出てくれば、飼うのがつらくなることもあるでしょう。純血種を選ぶというのは、飼い続けるという人間の側の義務の厳しさを緩和することに作用すると言えます。
もちろん、これは飼い主の考え方ひとつであて、どんなねこでもかわいいと思う人もいれば、予想外のキャラに育っても、それはそれで楽しいと思える人、子猫のときに直観でねこのキャラが見抜ける人なら、純血種を選ぶ理由はないかもしれません。あくまで飼い主が自分の判断で考えることですが、ちょっと知っておいてほしいことは、純血種が単なる外観やブランドのためにあるわけではないという点です。
そういう観点で見たときに、僕たちがキャラクタとして望ましかったのは、あまり鳴かないねこ、運動能力に優れたねこ、性格が優しく、人間に従順なねこ、そしてもちろん外見がかわいくしなやかなねこでした。ターキッシュアンゴラのキャラは、こんな感じに説明されます。
「性格は優しく愛情深く、飼い主に従順です。ストレスに弱く、自由気ままに好きなようにできる生活を好みます。」
http://www.nyanderful.biz/dictionary/turkishangora.html
(ちなみにこのサイトにターキッシュをシャムと交配させたという話が出ていますが、これは間違いで、原種を維持しているそうです)
「優雅で、絹ような長いコート、エレガントな体、とがった耳と大きな、美しい目で、ターキッシュアンゴラはおそらく世界で最も美しい猫の種類のうちの1つです。尾は長い目は大きくアーモンド形で、猫が成長するにしたがって、目の色が変わったりします。青(スカイブルー→サファイヤ)、緑(グーズベリー→エメラルド)、琥珀(金→銅)、そして、左右違う色=青い目と緑、、緑と金、、琥珀などがあります。 非常に頭のいい種類で、ドア、引き出し、財布などを開け方などを覚えてしまいます。足は驚くほど柔軟で器用です。水や水遊びを好みます。」
http://cats.ohugi.com/turangora.html
優しい性格、飼い主に対して従順(このキャラは必要以上に鳴かないことを意味しています)、頭のよさなどの性格面と、アビシニアンほどではないにせよ、なかなか活発な運動能力、そして何より、ぜいたくな手触りの被毛と、非常にしなやかな身のこなし、上品な骨格と外見が、この猫種の魅力です。
というようなキャラを期待して、飼い始めたのですが、実際に飼ってみていちばん感じることは、本当に手触りとだき心地がいい猫だということ。うさぎも、柔らかな毛と力抜けたからだが魅力で、抱き上げるだけで気持ちがゆるみ、イヤされる感じがするのですが、ターキッシュは、というより、うちのチェリーは手触り最高の被毛、そして抱き上げられると全身の力がすっと抜けて、だらんと身を預ける、脱力上手な感触に感動します。
その次に感じるのが、「ねこって臭くない」ということ。抱き上げて顔を被毛に突っ込んでみますが、まったくにおいが無く、動物っぽいところがありません。犬はいくらシャンプーをまめにしても、どうしても動物っぽいにおいがするものですが、ねこはシャンプーが嫌いであまり洗わなくても、動物っぽいにおいがないのです。当然、部屋の中が臭くなることもありません。
トイレのにおいは、あります。尿も糞も普通にくさい。うちではシリカゲルのねこ砂を使っているのですが、そのせいもあるのか、部屋の中に猫のトイレのにおいが広がることはありません(においはウサギもあまりないのですが、うさぎの方が若干強い感じ)。
性格は優しく、従順、多少無茶を要求しても、起こったり噛み付いたりすることはありません。もちろん、嫌がらせの領域に入ると噛まれますが、それでも噛んだことを起こると、かなりしょげています。ねこはふだんは爪を指の中に隠していますが、ツメを出して感情的になることもほとんどありません。おとなしく、安定したキャラです。このあたりはやはり純血種ゆえではないかと思います。
ねこにしつけはできないと言いますが、それなりにしつけも効きます。上ってはいけないところを根気よく教えれば、乗らなくなるし(テーブルぐらいの高さは楽勝でのぼるので、中継地点があれば、部屋の中のどんな場所にでものぼるのです)、食事の場所、トイレの場所、爪を研いでは行けない場所など、それほどうるさくいうまでもなく、自分で覚えてしまいます。ドアの開け方も学習し、押し開き側の部屋の中からなら、ジャンプしてドアレバーに手を引っかけて回し、ゆるんだドアを押して出てきます。
うるさく鳴くこともあまりなく、たいていは用があるときです。ほぼ食事がほしいときに限定されるでしょうか。ほかにはあまり用もないのでしょう。
食事はシンプルです。猫用の総合栄養食のペレットを毎日決まった量上げるだけ。普通は1日2回に分けて、というのですが、チェリは子猫のときから食が細めで、一度に食べられないので、要求されたときに1回に食べきれる量(10グラムぐらい)ずつ上げて、欲しがる回数上げている感じです。それでもエサに表示されている標準量に届くか届かないかというぐらいなので、食事をせがまれて困るということもありません(健康管理のために量のカウントはしています)。
家には猫用のケージはなく、家中がねこの家です。それで特に問題はなく、全員留守にして、猫とウサギだけで留守番させても、人間の食べ物を勝手に食べたりはしません(必要な量はさらに入れていく、ということもありますが)。食べ物をそのまま出していくことはありませんが、どんな場所にも行く動物なので、カウンターに袋入りの菓子やパンがあるのは普通です。それを勝手に破って食べたりすることはありません。つまり食いしん坊じゃないのですね。うさぎと一緒に留守番のときは、うさぎをベランダに出して窓を閉めるか、うさぎをケージに入れて守っておきます。うさぎは我慢強いし、部屋に出しておくとコードをかじって切ってしまうので、出しておけないのです。ねこはうさぎにちょっかいを出すことはありますが、遊んでほしいという感じで傷つけることはないようです。うさぎは迷惑がっていますが、うちのうさぎも性格がのんびりしているので、エキセントリックな反応をしないので、ねこもまあまあ優しい対応なのでしょう。
よるは? 寝ます。たいていは、家族の誰かのふとんの中に潜り込んでいます。決まりはなく、その日によって違うようです。僕のふとんの中にも来るし、妻も娘も一緒に寝ているようで、チェリなりに愛情を均等に受けることを狙っているような感じです。布団に自分から入ってきて、腕枕に頭を載せたり、こちらのからだに背中を押しつけて寝たりするので、なんともかわいい。ねこらしくごろごろとのどを鳴らしているのをなでると、からだの力を抜いて気持ちよさそうな顔をしているので、本当にかわいらしい感じです。
僕らの場合、東京と八ヶ岳を往復しているので、どうしてもクルマに乗っても割らなければなりません。ブリーダーの家から連れてきたときも怖がって、車の中でずっと鳴いていたし、最初に六兼屋に連れて行ったときも、2時間、休みなく鳴きっぱなしでこっちが参ったのですが、その状態は2往復で終わり、今ではのんびりドライブを楽しんでいます。居場所はいろいろで、リアトレイ、娘や妻のひざの上、移動用の小型のケージの中、運転席と助手席の間のセンターコンソールなどその時の気に入った場所で寝ています。ときどき起きては窓に顔を押しつけて外を見たり。
僕らがレストランで食事、というときはうさぎのケージを占めて、ねこはそのままおいて出かけます。真夏の直射日光の下では暑くて死んでしまいますが、それ以外なら、食べている間はおとなしくどこかで寝ています。食事や買い物から戻ればそのまま出発です。トイレだけは、社内の足下に入れておいた方が、ねこにとっては安心できるようです。最初はクルマに乗るとまずトイレで糞をしたりして、そのたびにクルマを止めて糞を取ったりしていましたが(密室なので臭くて居られない)、最近は用がなければトイレに入ることもなくなり、こちらも快適です。
さて、こんなねことの生活ですが、勝手よかったかと聞かれれば、もうねこのいない生活は考えられない、というぐらいの溺愛状態です。かわいいし、癒されるし(あまり癒しが必要な生活はしていないのですが)、愛情をかけるということが人間にとって幸せなことなんだと言うことに気がつかされ、気持ちの豊かさを感じさせてくれます。寝ているのを見ているだけでも飽きない。そんな感じです。
ということで最後は溺愛状態で終わりますが、写真がこちらにたくさんあります。趣味の写真の被写体にも、ねこは最高です。
http://picasaweb.google.co.jp/paco156ti/2009Cherry#
http://picasaweb.google.co.jp/paco156ti/2008Cherry#
▼キャッテリロスマリノス←チェリの実家
http://homepage3.nifty.com/T_Angora/index.html
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