(by paco)もう少し料理ネタを続けます。今週は、具体的につくる料理について書いてみます。
僕の料理は基本的にシュフの料理なので、今日ある食材でどうやって食事を作るかというアプローチです。普通、男の休日料理なら、つくるものを決めて、ねらいを定めて買いに行って、ということをするわけですが、シュフはそんなヒマはありませんf(^^;)。おなかをすかせたひな鳥(娘)に、タイミングよく食べさせなければならないし、カロリーオーバー気味の僕と、少食の妻という、なかなか利害が一致しない3人が共通して満足できる料理にしなければなりません。しかも、食材は今冷蔵庫ときっちの引き出しにあるだけです。
僕の場合、今、冷蔵庫に何が入っているか、おおよそ頭に入っている状態です。ちなみに、今これを書いている瞬間には、たとえば野菜室に入っているのは、葉物はモロヘイヤ、ほうれん草、なす、ネギ、レタス、ピーマン、キュウリ、トマト。根菜類は、ジャガイモ、にんじん、大根がちょっと。お楽しみの落花生、それにショウガやニンニク、というところでしょうか。1?2品、記憶落ちがあるかもしれませんが、だいたいこんなところです。野菜室の中身は、葉物系、根菜類、サラダ系にだいたい分類して頭に入れています。
冷凍庫はいろいろ入っています、火を通すだけで食べられるものとして、エビの竜田揚げ、春巻き、サバ味噌煮……ほかにもいくつもありますが、さすがに覚えていません。素材系では、アサリ、ネギトロ、たらこ、明太子……。レンジで温めるだけでとりあえず1食、という冷凍パスタ。冷凍庫の中は、(魚系+肉系)×(素材系+総菜系)という感じのマトリックスの中をあたまの中に点くって、その中にある1?2個を記憶しているという感じでしょうか。
ほかに、いわゆる日配品ということで、木綿豆腐、もずく、ヨーグルト、牛乳など。
このぐらいが頭に入っていると、さて、今日は何を作ろうかなというときに、わりと簡単につくれそうか、悩ましいか、というぐらいを考えておいて、あとは、直前に決めるという感じです。材料が限られていれば悩ましいし、鮮度の都合上、今日食べる必要があり、手間がかかるものなら、早めに作り始めなければなりません。
さて、そんなある日のレシピです。
左はトマトとホタテの冷製パスタ、この日はトマトの在庫が多くて(生協で頼むと、前の週、消費しきれなかったところに今週のトマトが来ることもあって)、料理に使っちゃおうと思っていたので、これを軸にパスタにしました。
パスタと決まれば、まずパスタ用の大鍋に湯を沸かす。たっぷりのお湯でゆでたいので、沸くの時間がかかるのです。
暑かったので、そうめんでも、という日だったので、1品は涼しげな冷製パスタがいいかなと言うことでフレッシュトマトをベースに作ることにしました。タンパク質を何か入れようと冷凍庫をかき回したら、ホタテがあったので、これをさっと流水で解凍して、少し細かく切ってから、多めのオリーブオイルとガーリック、塩コショウでちょっと強めに炒めて、端をかりっとさせます。トマトを2個、サクサク切って、ホタテとオリーブオイルと一緒のボールであえて、あとはタイムやバジル、少しの醤油などでちょっと濃いめに味を調えておきましょう。最後にオクラを5本、輪切りにして、そのままソースの上にのっけておきます(混ぜると、塩分でしんなりしてしまうので、混ぜずに上にのっけておけば歯ごたえが持つし、別の皿に取り分けて洗い物を増やすこともありません?このへんはシュフのノウハウです)。
パスタをゆでる前に、もう1品準備をしましょう。
右は夏野菜のナポリタン。ケチャップ味のナポリタンは、やっぱりスパゲッティの定番なので、ふどうの人気。あとは味のバリエーションです。この日は、定番のタマネギがないので、夏野菜を中心にちょっとビビッドな味に仕上げることにして、地元でとれたズッキーニ、ピーマンにベーコンだけのシンプルな具にした上で、唐辛子とガーリックで薫りを強めにしました。オリーブオイルでガーリックと唐辛子を炒めて香りを出し、大きいものはとってしまってから、ベーコンと野菜を放り込んで、ちょっと長めに炒めます。塩コショウ、ちょっとの醤油、という定番の味付けにした上で、トマトケチャップでさらっと色づけ。これを小さなボールにあげておきます。
だいたい、このへんでお湯が沸いているので、パスタを放り込み、6分30秒、タイマーをセット。ピピピッと鳴ったら、日からあげて、半分はさっきナポリタンの素材を取り出したままの鍋に。半分は鍋に水を入れて、冷やします。冷やしている最中に、パスタを炒めるのですが、ここが肝心。ちょっとオリーブオイルを足し、ガーリックで香りをさらにつけて、塩コショウとケチャップで味を調えたら、5分ぐらい炒めて、パスタに焦げ目が少し付くぐらいまであまりかき混ぜずにがんばります。かりかりがおいしいのだね?。パスタにちょっと焦げ目が付いたら、ボウルに取り分けておいた具の半分を入れてパスタと混ぜ、混ざったころに残りの半分を入れてもう一度混ぜ、余分な水分が飛んだらできあがり。
パスタをかりかりに炒めている間に、水で冷やしていた半分のパスタを皿にあげて、ボウルの中の冷製トマトソース、オクラをさくっと混ぜてから、パスタの中央に穴を開ける感じにして、巣ごもり風に乗せます。いい感じ!
ということでパスタ2品をつくったら、家族に声をかけて、できたてをいただきます?。うます?。
うわーおなかがすいてきたので、お昼ご飯にしようかな。
また別の日のお食事。この日はご飯を炊いて、おかず3品(プラス、漬物と煮豆)。左から、鶏唐揚げのみぞれ掛け、ゴーヤとなすと豆腐のサラダ。ジャガイモのしゃきしゃき炒め。唐揚げのみぞれ掛けは、生協の冷凍総菜、という手抜きものですが、あげる、ぐらいの手をかけるとけっこうおいしくなるのですね。大根おろしベースのみぞれソースも付属品です。2品目は野菜料理ということで、ゴーヤとなすを薄切りにして塩もみしてから、ちょいゆでたシメジ、豆腐、ワケギを入れて、ごま油と醤油、塩、ラー油で味を調えてできあがり。涼しい夏の逸品ですね。3品目のただのジャガイモの炒め物。でもしゃきしゃき出おいしいのですね?。ちょっとていねいに細めに切って、水にしばらくさらしてから、サラダ油で炒めるだけ。細切りなので火はさっと通るので、炒めすぎないようにするのがコツ。炒めすぎると粘りけが出てしまいます。塩コショウ、バジル、コンソメパウダーで味を調えて、いただきます。ガラス瓶に入っているのは、新生姜の甘酢漬け、手作り。新生姜が手に入ったときはときどきつくります。ショウガを薄切りにして、ざるに入れて熱湯をさっくっとかけてしんなりさせてから、塩もみ。水分がある程度出たら、甘酢に漬けます。甘酢は、お酢に砂糖を入れるだけ。砂糖の量はお好みですが、気持ち多めぐらいがいいかも。2?30分漬ければとりあえず食べられますが、ひと晩おいた方がおいしいかな。さわやかな夏の一品。
え?さらにさらに、次はお弁当です。娘がダンスのリハーサルでスタジオにこもる日が2日あったので、連続で、朝、つくって持たせました。幼稚園の頃は毎日つくっていたので、さくっとありものでつくるのは楽勝です。
お弁当は、あさごはんのおかずとなるべくかぶらないようにつくるのが工夫のしどころで、あさごはんのおかずをつくりながら、どれを朝だし、それをお弁当に入れるか、いろいろ考えます。味が濃いめで持ちがいいものをお弁当に、暑い方がいいとか、水っぽいものは食卓に。2日連続だと、2日かぶらないというのも重要なので、なかなか頭を使いますね?。お弁当用の食材を用意していなかったので、ちょっと時間がかかりますが、それでも20
分ぐらいでしょうか。お弁当は、自分が共有することのない、子供の近未来の時間をつくっている感じがして、それがうれしい感じ。これをどんな人とどんな会話をしながら食べるのかなーと思ってつくると、自分が見ていない未来を共有できる感じがするのです。妄想ですかね。
こんな感じで、僕の日常の料理は、ありものの食材でささっと、でもちょっと一工夫、という感じの文字通りシュフの料理です。こういう料理の作り方のために必要な食材を、毎週金曜日、ネットで生協に発注し、翌週金曜日、奥沢か六兼屋で受け取る毎日です。まる1週間分の食材より少なめに頼むのがコツで、僕の場合、遅くなって家でつくれないこともあるので、定量を頼むと余ることがあるのですね。余っても、翌週、ちゃんと届いてしまうので、ときどき目測を誤って食材があふれると、追い詰められるのですがf(^^;)、基本的に食材は捨てないように食べきる主義なので、気分はけっこう追い詰められるのですね。これがつらいので、少なめに頼むのですが、その結果、食べ物がないという事態も。なかなかうまくいきませんが、かといって毎日買い物にいっている余裕はとてもないので、何とかバランスをとっています。
ちなみに、我が家では食事は1日3回、きちんと食べるのですが、朝食は和食、昼はパン、夜はそのときどきですが、魚系と肉系は6:4ぐらいの感じです。朝ご飯は、ご飯を炊いて、たいていは豆腐とワカメのみそ汁を、シイタケと鰹節の出しでつくります。それに、野菜2品、焼き魚などが付く、という感じですね。
最後に付け加えておくと、これらの食事のほぼ90%は僕がつくります。
世の男性には、「料理は男のたしなみ」、独身男性には「料理ができない男は結婚できないよ」といっています。でも、もっといえば、男にとって料理の能力は、基本的なサバイバル能力だと思います。結婚できて、妻が料理をつくってくれたとしても、妻がいつも健康だとは限らないし、いつ離婚の憂き身にあわないとも限りません。自分で料理がつくれれば自分の健康と生活をきちんと維持することができますが、料理ができないと、生活の基盤が失われかねません。コンビニの弁当や外食で暮らし続けることは、健康上の大きなリスクです。
というわけで、楽しみと必然性の両方から、長いこと料理をし続けている内情をちょっとお話ししました。これを期に、料理をしてみようと思う男性、また女性が増えることを期待しています。
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