(by paco)毎週、コミトンは週末に書いているのですが、今日は日曜日の、もう夜。今日は家にいたので、朝から「何を書こうかな?」と考えていたのですが、いや?ネタ切れです。困りました。
毎週、いろいろなテーマで書いてはいるものの、テーマがすっと決まるときと、けっこう悩むことがあります。すこし前に書いていた星野さんの追悼記事や、戦争や平和に関するテーマのように、書こうとしていることが大きいテーマだと、思っている以上に長い連載になることが多いのですが、単発のテーマになると、テーマが見つかるときと、思いつかないときがあって、今週はかなりいろいろテーマを探したのですが、決め手がなく、オムニバスになってしまいそうです。こういうこともあるということで、ご理解くださいませ。
テーマが見つからないときと言うのは、これと言って考えているテーマがないという場合もあるのですが、僕の場合、そういうことはあまりなくて、たいていいくつか、追いかけているテーマが複数あります。ただ、そのテーマが、また追究途上だったり、無料版など他のところで書いてしまって、コミトンというクローズドな場所にふさわしくないという場合もあります。今週は、両方が重なってしまったという感じです。それで、いくつかテーマに分けて書いてみます。
★写真がおもしろい
ここ数か月、一番おもしろがって夢中になっているのが写真です。今年1月に、デジタル一眼(PENTAX K100D)を買って、やっぱり写真はオモシロイや、と再発見したのですが、もともと僕は中学→大学まで写真部で、アマチュア写真家として風景写真を撮り続けてきました。この頃のアマチュア写真家は、みなモノクロ写真を撮っていて、その理由は、モノクロの場合、フィルム選定から撮影、現像、プリント、パネル貼りまですべて自分の手作業でできるために、表現の幅が広いというのがあげられます。カラー写真は商業写真のプロのもの、という時代でした。大学までの写真部では、クラブの部室に暗室があって、そこでいくらでも作業ができたのですが、卒業してしまうと暗室が使えなくなし、社会人になるとまとまった時間もとりにくく、モノクロ写真からは離れしまいました。
趣味として写真は撮り続けていたものの、写真で作品を仕上げるという楽しみはなかなかできず、家族のスナップ写真や記録のための写真がほとんどになりました。トッタフィルムやプリントを整理するのも大変で、これも写真を撮らなくなった理由のひとつです。
5年ぐらい前からは、デジカメの性能も上がって、10倍ズームがついたクラスのカメラがかなり楽しめるようになり、それで満足していたつもりだったのです。それが、今年、デジタル一眼(デジイチ)を買ってしまってからは、すっかり火がついてしまい、あ?写真の楽しさを完全に忘れてたんだなと思い直しています。
直接的に楽しいのは、レンズの味を楽しむこと。写真というとカメラで撮ると思うかもしれませんが、実はレンズをどう選び、自分の撮りたい写真に対してレンズをどう選んで使うかが大きなポイントになります。ということ自体も、改めてここ数か月で再発見したんですけどね。
最近は、ズームレンズの性能がよくなって、18mm→200mmとか28mm→300mmというズームレンズが安く出回っているし、性能もかなりよくて、ものを移すという点では十分以上の性能です。ズームリングを回すだけで、自分が撮りたいものだけを切り取ることができるし、オートフォーカスに任せておけば、きっちりとれます。便利で、きれい。
でも、なんかこれは違うのでは?と思うきっかけになったのが、「ぽちのたのしみ」
http://pochidayo.main.jp/weblog/
というサイトで写真を発表しているぽちさんの写真を見てからでした。彼は僕と同じPENTAXのユーザーで、とっているのは自分の娘、琴ちゃん。この子がまたかわいいんだけど、写真がさりげないのに本当にきれいで、なんでかな?と思っていたのでした。いろいろ見ていると、やはり使っているレンズが違うと言うことに気がついて、彼は基本的にズームではなく、単焦点レンズを使っているのでした。それと、開放絞りが明るいレンズにこだわっていて、どうもここだなと思い至り、このカテゴリーでは評価の高い「SMC PENTAX FA77mm F1.8 Limited」を買って、撮ってみると、これは確かにぜんぜん違う。
今のズームレンズは、開放でF3.5?4.5ぐらいが普通で、F1.8というレンズはまれ。さらに、このLimitedというシリーズは、解像力などスペックだけでなく、実際に写真家が捕った撮り味を重視して設計された、というレンズです。売れ筋の便利なズームは、広角から望遠まで、さらに近距離の撮影(マクロ)までこなすという万能ぶりで勝負しているわけですが、Limitedレンズは単焦点でズームはできず、近距離もあまり強くない。それでも撮ってみると、確かに、「便利なズームレンズ」とは違う。撮りたいものがシャープに映り、背景がきれいにぼけて、被写体が浮き上がるし、いろの再現性がいいだけでなく、色のノリがいい、つまり色が実物りょ梨少したっぷり絵の具が塗ってあるような、深い色合いになる。ぼけっとしがちな曇りの日の写真も、クリアに写る。それでいて、へんに誇張されている感じがしない。
どこが違うのかなと、ここ1?2か月、ずっと撮り比べていたのですが、「便利系ズーム」も、まったく悪くないのです、よくとれる。それでも比べるとやっぱり違う。解像度やシャープさ、色などひとつひとつの差は小さいのに、撮れた写真の印象がかなり違う。
これではまってしまい、Limitedシリーズを続けざまに3本、買ってしまいました。この分野の好き者の間では、これをレンズ沼といい、際限なくずぶずぶとはまって楽しくてしょうがないと笑い合っているという状況です。77mmに加えて、その姉妹機種のSMC PENTAX FA43mm F1.9 Limited。これは焦点距離が少し短く、標準レンズぐらいの画角です。撮り味は、77mmにかなり似ています。続いて、SMC PENTAX DA21mm F3.2 Limited。これはまだ買って間もないので、評価が仕切れてないのですが、使いやすい広角の画角です。
レンズの不思議な魅力にとりつかれて、とっては研究し、研究してはとってを繰り返して、1月にデジイチを買ってから撮影したカット数10,500枚を超えました。びっくり。
今回のDA21mmで、一応ラインナップは感性かなと思っているのですが、怖いのは、このあと、レンズ専門メーカーとして異彩を放つドイツ(日本の京セラも参画)のCONTAXが、PENTAX用のレンズを続々発売、という情報。CONTAXは独自の絵づくりで知られるメーカーで、僕も以前、CONTAXブランドのカメラとレンズをもっていたこともあるので、これが使い慣れたPENTAXカメラにつくとなると、フラッとしてしまうかもしれません。
まあそれはそれとして、Limitedシリーズのような、独特の味があるレンズを作り続けているPENTAXと言うメーカーには驚かされます。HOYAにTOBをかけられて買収されてしまいましたが、カメラメーカーとしては小さいし、機種のバリエーションも少ないのに、その経営資源をこういう独特の、他にはない製品作りに集中させているのは、驚きです。PENTAXはK10Dというカメラで賞を総なめにして、今カメラメーカーとして絶好調なので、HOYAの傘下に入っても持ち味を活かしてがんばってもらいたいものです。
ちなみに、僕の作品と研究結果は、こちら。
http://www.suizockanbunko.com/blog/art_photo_and_music/
★ギターを楽しむ
続いて、最近はまっているのが、ギター。年始に、今年は音楽!と宣言したとおり、まずいろいろなアーティストのライブに行き、いろいろな音楽を聴き、というのに加えて、自分でも弾こう、歌おうと思い、ギターを買ったという話は以前書きました。
ギターは、これもまた中学?高校のころ、フォークから入ってJ-POPなんかをコピーして弾いていたのですが、これも高校ぐらいでフェードアウト。それ以来久々のギターなので、まず以前のレベルに戻すことを目標に、ぽろぽろじゃかじゃか弾いてきました。朝ご飯のあと、10分、20分ぐらいであまり無理せず、音もあまりいい音で弾こうとか考えずに、好きなYUIの曲をコードを弾きながら鼻歌で歌ってという感じで、ここ半年ぐらい、しつこく続けてきました。
最初は、弦を押さえる指が痛くて、指の動きも鈍くてコード進行がうまくできないし、ちゃんと押さえられないので音がミュートして濁るし、ぼろぼろだったのですが、引き続けていればうまくなるのはわかっていたので、イヤにならない程度に毎日少しずつ引き続けていたら、ここに来て、だいぶいい感じで弾けるようになってきたのはうれしいこと。
ギターに躓く最大の原因である、セーハ(左手の人差し指ですべての弦を押さえる)もだいぶ濁らなくなり、主なコードは頭に入っているだけではなくて、左手をみなくてもすっと押さえられるようになり、右手のストロークもスムーズになって、軽く弾けるようになってきて、あ?この感じ。曲は相変わらずYUIですが、いずれオリジナルをつくろうと思っているので、誰の曲でもいいのです。
少しちょうしも出てきたので、2台目のギターを買いました。これまで六兼屋と東京をギターも往復させていたのですが、それもめんどうなので、もともともっていたエレアコ(アコースティックギターにエレキ機能をつけたもの)を六兼屋におき、東京にはサイレントギター。これは共鳴箱がないギターで、エレキと同じように電子的なピックアップで音を拾ってから、回路でアコースティックな音になるように仕上げて、ヘッドホンやアンプに流してくれるというものです。
ARIAというわりと古くからある日本のギターメーカーのAS100Sという機種。
http://www.ariaguitars.com/jp/02prod/0103ag/as100s.html
へんな楽器でしょ、中性の楽器のような、未来の楽器のような、まぬけなんですが、弾くと、なかなかいい音がします。いい音かどうかは、そうだな?ギターの好きな人には、すごく僕の耳を疑われそうですが、もちろんたとえばモーリス・ギターの深い響きなんかとは比較にならない痩せた音です。でも僕にとってギターは鼻歌の友で、あまりニュアンスのある深い音が出てほしいとは思わないのです。エレアコとエレキの中間ぐらいの硬質な音で、響きは人工的ですが、おもちゃっぽい音じゃない。ちなみに、この機種には赤と青というビビッドな色も存在していたようですが、すでに完売。ちょっとほしかったな。
まあ音質うんぬんより、何しろサイレントギターなので、弾くだけでは、響きのない弦をはじく音しかしません、ヘッドホンをかぶれば都会の夜中に弾いてもOK。アンプにつなげば、お好みの音量で弾けるので、昼間なら普通のギターぐらいの音で楽しむこともできるし、そのままアンプの許す限り大音量にすることもできます。これなら晩ご飯のあとのひとときにつま弾くこともできるというわけ。分解して小型にできるし、軽いので、お出かけギターにもなります。
今はYUIの歌をコードをコピーしながら鼻歌してますが、目的は、コードの音の響きというか、色というか、組み合わせ方を感覚的に頭にたたき込むことにあります。自分が響かせたい音を、指がさっと弾くことができるようになるところまで練習したら、曲が作れるようになるはずなので、そのレベルまで来たらギターのコードに曲を乗せて、自分の詞を書いて、オリジナルの曲に仕上げたいと思っています。音楽で、僕は何を表現したのかな。自分でもまだよくわかっていません。ただ、論理性を重視した文章を書くことで表現しきれない、愛や感性がテーマになるのかなーと思っています。さて、どうなるか、自分でもちょっと楽しみです。
そんなわけで今週は写真と音楽という、結局、ふたつの趣味について書いてきました。
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