(by paco)Life Designの話をこのところ休んでましたが、やっていないわけではなく、[各ネタ]としてまとまっていないだけです。引き続き、Life Design Dialogueを受けたいという方は歓迎中ですから、メールをください。
今回は、今Life Design Dialogueに来てくれているZさんに出したメールから、内容を一部変えて、書きました。Life Design上、仕事をもっとやる必要があるけれど、ゆとりのある生活もしたい、という話に対して、僕が書いたものです。
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ゆとりがほしいというのはわかりますが、ゆとりというのは、働く時間が短く、それ以外の時間が長いことだけをさしているわけではないと思います。
自分の仕事時間がコントローラブルであることと、働く時間そのものの長短は、必ずしもイコールではありません。それと、自分がやりたいこと、やるべきことをやっていると、本当にいろいろやりたいことが増えていくので、どうしても時間はそこにかけてしまいます。ゆとりというのは定年後の高齢者が公演で時間をつぶすことではなく、自分が今何をするか、選べることだと思います。
今、Zさんは独立に向けてアクションをとるべき時で、そこに積極的に時間を使うタイミングでしょう。やるべきことに時間を使えることがゆとりであって、余った時間がたくさんあることではないのでは?
経済的なゆとりは、自分が持っている価値が社会にとって十分高いものだと認知されることによって生まれます。つまり、自分の持っているものを高く買ってもらうことができることによって、経済的にゆとりが生まれ、それによって仕事の時間を減らすことも可能になるわけです。1日10時間×20日=200時間働いて、30万円稼ぐのと、1日8時間で30万円稼ぐ人では、仕事をしないですむ時間の差は、192時間になります。ずいぶん違いますね。たぶん、Zさんはこういう状態をめざす必要があるのです。
ゆとりといえば、欧州の人は日本人の平均よりゆとりのある生活をしています。しかし一般労働者のゆとりは、上記の経済的なゆとりとは違うものです。1日6時間×20日= 120時間で20万円稼ぐ。その金でできる生活で「満足」する代わりに、平日の夜や週末にゆっくり遊ぶ。でも、そのあそびは、高いオペラではなく、映画だったり、パブだったり、山歩きだったり、自分の家の修理だったり、金がかからない、いわば庶民的な小さな楽しみです。
日本でこの状態を実現しようと思ったら、地方都市か農村にいくのが一番です。仕事の満足度と収入はそこそこでも、ゆとりがあり、自分だけの小さな楽しみが詰まった生活ができます。もうちょっと違うことをしようと思えば、地域のよさをいかした起業をすればいい。東京で起業するより、ずっと成功の確率が高いし失敗のリスクも低い。
こういう生き方も、いいと思います。でも少なくとも今のZさんの関心事ではないように見えます。
ゆとりを持つ方法はいくつかのアプローチがあります。そして、上記以外のまだ知らないルートもあるでしょう、きっと。でも、ある程度、こんなパターンの QOLを実現しようというイメージを明らかにしておく方が、不満が少なくなります。Zさんがやろうとしているビジネスは、たぶん、時間単価を高くしないと成り立たないアプローチです。自分を高く売れるようにするために、もうしばらく時間を使う必要がありそうです。
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Quality of Lifeの高い生活には、ゆとりは大切ですが、ゆとりは[余った時間]が多いという意味では、必ずしもないでしょう。どんなゆとりがほしいのか、考えてみるのもいいと思います。
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