(by paco)今週末、7月8日、9日にグロービスのあすか会議が開かれています。今回は、その第一セッションの模様を中継風にレポートします。
■あすか会議とは?
Assembly For Synergy,Knowledge,and Ambition
ネットワーク,能力開発、こころざしを養う場。
グロービス代表の堀義人さんの発案で、「ダボス会議」の日本版とも言うべき性格を持つ会議として、昨年、ならで第一回を開催。今年は第2回になります。
■堀義人さんのあいさつ
家族と一緒に来て楽しめるような会にしたい。ハーバードも同じ。
誰もが手弁当。これはダボス会議も同じ。小泉純一郎もヨルダン国王も同じ名簿に載る
来年以降もこの週で実施したい。
■第一部 創造の部 13:30?15:00
テーマ:「新しいことを始めよう!(チャレンジしよう!)」
○後藤玄利氏 後藤社長(ケンコーコム株式会社 代表取締役社長 )
○西川潔氏(株式会社ネットエイジグループ 代表取締役社長)
○松村方生氏(株式会社フィル・カンパニー 代表取締役社長 CEO)
・西川さん
8年前に創業。転職は4社ののち39歳で企業。東大教養学科卒。
KDDに3年。官僚体質の会社で合わず。
アーサー・D・リトル、コンサルタントに飽き足らなかったが、企業のテーマが見つからず、5年。
バドワイザー。
AOLジャパン。インターネットがビッグチャンスだと気がついた。
堀さんなどにも相談し、8年前にネットエイジを創業。インターネットビジネスのインキュベーション、スタートアップを支援するビジネス。24個のスタートアップビジネス。7つはバイアウト。4つはつぶし、格闘中。
・後藤さん
ケンコーコムは、健康関連商品6万2000商品のEコマースビジネス。2000年からインターネット。昨年年商は47億。2004年にマザーズ上場。1987年卒、アンダーセンコンサルティング入社。バブルピークに。システムコンサルティングから戦略コンサルティングへ。バブル崩壊、93年頃になるとリストラクチャリングの案件になった。コンサルタントとして、オールドパラダイムの会社を新しいパラダイムに載せる仕事をするより、新しいパラダイムに乗ったビジネスをつくろうと思い、退社。もともと実家の家業が家庭薬の小さな会社。「ききまんねん」(サルノコシカケ)。ネットマーケティングで3億ぐらいまで行ったが、しょせん中小企業。米国のネットビジネスの成長を見て、eコマースのケンコーコムを初めて、ネットバブル崩壊、そこで格闘して、2004年に上場まで成長。
・松村さん
創業1年のフィルカンパニー。卒業後、ベイアンドカンパニーでコンサルタント。何か事業をやりたくて退社、なんの事業をやろうかと2年模索。
コインパーキングの上に店舗スペースをつくり、さらにそのうえの屋上を緑化。
●起業家のイメージを参加者から募集
・メンターの存在
・リスクを恐れない強さ
・ビジョンが語れる
・使命感
・キャラが濃い
・流れに読む乗れる
・野心がある
・好奇心旺盛
・先見性がある
・タイミング
・社会に貢献できる
・ポジティブシンカー
・人を巻き込む
・家に帰らずに住み込んで仕事をしている
・人生賭けてる?人生賭けてる?
・タフな人
・お金を集められる
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★起業のねらいはどのようなものだった?
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西川●理想郷をつくりたかった。
後藤●新しいことをやりたかった
松村●自分としてオリジナルなものをやりたかった
西川●ぎらぎらした野心(お金や名声)からスタートの人もいるし、社会に貢献したいという人もいる。僕自身は転職を繰り返す人生をやめたい。自分の理想の場を自分でつくることにワクワクした。
後藤●リスクはそれほど高くない。新しいことはチャレンジするが、失敗しても評価してくれる人はいるはずなのでリスクとはいえない。
松村●リスクということ自体がよくわからない。自分の人生に軸を持っていないこと(理想がないこと)の方がリスク。今の時代は食べられなくなるという点ではリスクはない。尊厳やりその自分がないことの方がリスク。
西川●家族が路頭に迷うリスクはなくした。借金して起業はしない。投資が受けられるなら起業する。最小限のお金は獲得できる。収入は半減したけれど、最悪の事態はないようにした。
後藤●リスクフリーにすることは考えた。実家の仕事があるので、最低限の仕事はできる。失敗しても、実家の仕事に戻れるようにした。インターネットも通販のキャッシュフローの範囲内でやるようにした。
西川●ここ5年ぐらいで、ベンチャーキャピタルの
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★苦しいときにモチベーションをどうやって維持したのか
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後藤●通販で広告を出した。週刊誌に30万円ぐらいの広告。出したら1日2件。とてもやってられない。とんとんで回りそうな物が見つかってきたので、損をしないようにやってきた。
松村●不動産、建築業界はウェットなので、今がきついところかも。試行錯誤を繰り返したい。うまく行かないとき、ピンチの時に、宝物を見つけられるとおもってがんばると、ブレイクスルーが見えることが多い。
西川●請負仕事をやらなかったので、追い込まれた。後1か月でキャッシュが尽きるところまで来たけれど、あの案件がうまく行けばだいじょうぶと思い、夜寝られない方なところまでは追い込まれなかった。タイミングは重要。
後藤●試行錯誤は楽しい。新しいことを始めるのは、暗い洞窟を歩くような感じ。ある時、遠くに灯りが見えて、走れるときがうれしい。
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★人材で苦労した点は?
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西川●社長一人以外はアルバイト学生。アルバイトの中でリーダーが生まれて来た。不思議な経験だった。
後藤●ひとりで初めて、誰一人としてJOINしてくれなかった。友だちの奥さんの友だちとか、ちょっとつながりのある人が来てくれた。働きやすいという評判ができてくると、縁故じゃなくても来てくれるようになる。求人広告を出しても変な人しか来ない。でも少しずつ前進する。そのうち、もとの同僚が来てくれるようになった。実績を積み上げるしかない。
松村●去年2名で創業。自分のアパートで、ふたりでパソコン並べて、同じ焼きそばを食べながら、ビジネスモデルをつくり、ホームページを作りに来てくれた人を社員にした。
西川●神の引き合わせのような人が来てくれることがある。偶然のようにいい人が来てくれる人がある。ビジョンやパッションがあると、それを軸に来てくれる人がある。
後藤●人が足りないところは、どこかでくすぶっている人が来てくれる可能性がある。
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★事業テーマとの出会い。起業したいけれど、テーマが見つからないときに、どうやって「これだ」というものにで会えたのか。
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西川●1990年頃、起業したいと思った。特別な能力もない。シロウトっぽいアイディアしかない。考えたアイディアは、(1)マンションのベランダをアメニティ、グリーン化、ウッドデッキなどのサービスをしたい。(2)ヘルシーな野菜ジュースを売るチェーン店をやる、などを考えた。インターネットが出てきた。みんな横一線だからやれそう。思いつきをメモし、知ってそうな人に会いに行ったりしてじょじょに見つけた。
後藤●「ききまんねん」の通販をやっていて、eコマースが始まったころ、健康食品とインターネットの両方を今知っているニンゲンハに本では僕だけだろう。と思って始めた。
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★メンターの存在、へこんだとき、困ったときの何をする?
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松村●最後に責任をとるのは社長の自分。へこむこともしょっちゅうある。気分転換したり。期待してくれている人もいるので、なんとか届けたい。自分の欲だけだとへこんだ問いに萎えてしまう。周りに期待してくれている人がいると、がんばれる。
西川●社外取締役に相談しに行ったり、起業家仲間との付き合いが始まるので、そういう人に相談する。
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★確固たる確信があるように見えるけれど、自信はどこから出てくる? 今社長として何を見つけようとしているのか。
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後藤●自分の自信。自分なら負けないというフィールドを見つけて、そこで戦っている。自分がここで勝てないなら、他の人も勝てないだろう。と思っている。今は多くの意図の力を活かすことがどうすればでいるか、考えている。
西川●起業は楽しいというありがたさが自信になっている。正しいことを正しくやっていれば、そうひどいことにはならないだろう。という楽天的な発想。また、特に最初は、どこかのフィールドに集中する。自分がやっていることは社会の大きな動きの中のピースのひとつに過ぎない。だったら、自分が失敗しても、それは何かの次の発見のきっかけになると思っている。
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★コンサルでの経験が生きているか?
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松村●使えている部分と使えていない部分がある。状況を整理したり、伝えることには役立つ。メンタルな部分は、ダメ。客観的になりすぎてしまうことも。
後藤●大企業でも、うまく行っていないところがある、とか、こうすればうまく行く、がわかるのは経験として蓄積されている。ケンコーコムは、1件数百円のビジネス。コンサルだと、1軒数百万。額の違いになれなかった。
西川●ビジネスモデルを考えるにはコンサルタントで慣れた。プレゼンテーションがうまくなる。ロジカルに考えすぎて、リスクが見えて踏み出せなくなる。直感で飛び込んだ方がいい部分もある。動きが鈍くなる。
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★100人を超えるとリスクテイキング面など、マインドが不一致になるのではないか?
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後藤●社内で上下はつけていない。チームとして動くようにする。同質の人はとらないことにしている。それぞれが特性がある、リスペクトできるように。
西川●会社をスピンオフさせてしまう。古株の人は社長になってしまう。
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★どんな人が起業に向いているか
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西川●ゼロから1にする人と、1から10にする人は違うかも。どっちが得意なのかを考えるとよい。準起業家として動く人もいる。
後藤●リスクなどに対して考える過ぎる人はやめた方がいいかも。
松村●自分は変った人だと思っていた。会社員時代も、なじめてない感があった。ゼロを1にする人は、こだわりが強い人。
西川●同じ起業家でも、まったく第一号のビジネスをつくる人と、似たようなビジネスを創業し、勝つ人もいる。
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★会社は社長の器以上には大きくならないという説があるが、自分の器を大きくする堪えに何をしているか。
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後藤●試行錯誤を繰り返して、考えて考えて、大きくしていく。人のマネジメントについては、いろんなタイプを受け入れられるキャパシティを広げる。
西川●自分は1兆円企業にしたいのか?とかんがえると、それよりクォリティを重視したい。だから1兆円企業には、ならないししない。将来像を描こうとするといい。自分なりの規模感を持つ。個々人の価値観で決めればいい。
松村●まだ6人の会社なので、ピンと来ない。アイディアと夢を広げている状況。
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★自分のメンターとのコミュニケーションはどうやればいいのか。ビジネスのテーマは今-------------------------------------
改めて創業するなら、どんな分野がいいか。
西川●フランクになんでも聴いてました。
後藤●社外取締役など。「困ったね」とフランクに話す。
松村●父親を含め、いろんな人に聴けるように、アドバイスをもらえるようにしている。きちんとした事実を伝えること、正直に聴くようにしている。
後藤●この分野ならこの人、というようなネットワークを広げておく。聴ける人はなるべく助けられるようにしておく。
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★後継者は?
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後藤●スタッフとして能力があるということと、経営者としての能力は別。創業時期はスペシャリストが多い。全体をみれるわけではない。後継車が生まれる仕組みをつくることを意識している。
松村●もともとふたりで創業。どちらでも起業が回る。今いる社員も、自分がこの人のしたで働いてもいいと思う人を採用している。
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★アイディアだしや試行錯誤はどうやっているか。
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後藤●アイディア出しはするけれど、やれることは少ない。アイディアを寝かせて、どうしてもというものをやりたいというものをやる
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★ビジョン
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後藤●健康について記になる人がまずネットにアクセスするような、
西川●ネットビジネスのスタートアップのプラットフォームとしてベストのものにしたい。そのごはネットではないもので起業するかも。
松村●何かをやるときの、不動産の固定費をカットできるビジネスをつくりたい。アイディアを街にインストールするためののプラットフォームになりたい。
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★日本発のグローバルビジネスは起きるのか?
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後藤●言葉の壁があるのではないか。英語圏からの起業は楽かも。
西川●シリコンバレーから見れば、日本は草野球? 気概の問題もあるだろう。
→pacoの答え:日本は、世界と協調しようとする。環境ビジネスではThink Global Act Locallyでいえば、世界と発想を共有しながら、日本でそれを実現しようとしている日本人は多い。日本セクターを担うことは、大きな意味があるし、それで日本人が「顔」として世界に出ることにだけ大きな意味があるというわけではないだろう。
※pacoの独り言
起業=創造なのかな?
想像と企業は違うよねえ。
※第2部は、「環境経営」「スポーツ」「キャリア」の3セッションが行われました。僕は「環境経営」に出席したのですが、このレポートは、来週。
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