(by paco) 今週は北海道ツアーで、4泊してきました。
知恵市場のブログライターもやってくれている札幌在住の森末さんが、仕事先の北海道アルバイト情報社を紹介してくれて、彼らの今抱えている(というか、抱えることになるかもしれない)問題点を整理してエンカレッジするセミナーを行うという仕事です。
で、それにかこつけて、札幌で仕事が終わってから、まだ行ったことのない函館に遊びに行きました。こういうときは家族でいってしまうのがpaco流で、客先の担当者にも「家族で行きます、終わったら遊んで帰ります」としゃべってしまうので、ときどきあいだに入ってくれる人がうろたえたりしているのですが、でも堂々と言ってしまったほうがトラブルが少なく、また歓迎してくれたりもすることも多いので、別に悪いことをしているわけでもないし、カミングアウトしてしまいます。隠すのが面倒なのですね。
で、札幌での仕事の翌日、特急で函館の北にある大沼公園のホテルに宿に移り、大沼でやっている「ワカサギの穴釣り」をやってきました。
穴釣りは、沼や湖に張った氷に、直径20センチほどの穴をドリルで開けて、そこから糸を垂らして、主に湖底にいるワカサギを狙うという釣りです。東京の近くでは、群馬県の榛名湖あたりでもできるようですね、昔は諏訪湖でもやっていたようですが、今はどうなんでしょうか。釣りが好きというわけでもないのですが(キライではなく)、穴から糸を垂らすという風情に引かれて、やってみました。
といっても季節は3月、北海道といえでも南の大沼では、すでに氷が融け始め(一部は完全に水面になっていた)、「もう無理かもしれません」といわれていたのですが、いってホテルのベルキャプテンに相談してみたら、大沼でやっている2件のうち1件ではまだ大丈夫ですとのことで、いってみることにしました。大沼公園のメインの拠点には、氷上スノーモービルやそりでの湖巡りなどのアトラクションが並び、穴釣りもその場で申し込むだけでOK。一人500円の入漁料と500円の竿代(つまり1000円)を払って、トントンと沼に下りて小売りに立ちます。表面は日差しで水っぽくなっていますが、足下には不安がなく、すでにあけられている穴釣りの穴を除くと、たっぷり30?以上の氷がある感じでした。
あとでやってきた、スタッフ(というかこのアトラクション屋さんの店主?)に話を聞くと、「もう1箇所、穴釣りをやっているところもあるけど、今シーズンはやめたみたいだね、氷が融けて」というので、「ここはなぜできるの?」と聞くと、「氷をつくってるからね」という返事。「????冷凍庫でもあるのか?」と思っていると、「氷が張ったころから、氷の上に乗って、雪を払ったり、水をまいたりして、氷を厚くしているのよ」とのこと。雪が乗ると保温してしまい、氷が冷えないので厚くならない。雪をどけておくと、張った氷の表面から外気の冷たい冷気が伝わって、水の中の氷がどんどん厚くなる、というはなし。表面を堅くするために水をまいたりもするらしい。厳寒期は氷点下10?20度にもなるだろうから黙っていても結氷するわけだけれど、寒いうちに氷をつくっておくと、春になっても穴釣りができるコンディションが保てるわけですね。競合が仕事をやめてからも、平日にもかかわらず、多いときは30人ぐらいが氷に乗って穴釣りをやっていたので、この日だけでおそらく100人弱の客があったのでは? 売上10万円ほどか? 氷をつくって営業期間が20日のばせれば、と考えるとかなりの売上の差になるわけです。
もちろん、ワカサギの方は春のうちから産卵させたり稚魚を放すなど、育てているだろうから、その手間も含めて、冬も仕事をするために、自然の環境をうまく利用しつつ、沼の自然の恵みを得ているというわけです。
少し離れたところではスノーモービルの体験やら、そりを引っ張って氷上巡りをしていて、ツーストロークのエンジンの排気がくさかったのは興ざめだけれど、排気以外はあまり自然を汚すこともなく、持続可能な観光ができているのではないかと感じました。
北海道の観光シーズンはやはり初夏から秋、と思いがちですが、特に温暖な道南は、意外に平日でもお客が多く、こういった努力の積み重ねが人を呼んでいるのだろうなあと思います。
できれば、スノーモービルなどに頼らないか、あるいは電動モービルなど、環境面にも配慮した観光ビジネスをやってもらいたいと感じましたが、やはり知恵次第だなあと感じた北海道でした。
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