(by paco)女児殺害、犯人を憎む

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(by paco)今週は悲しい事件が続きました。

広島で先週起きた小学1年生の殺害事件の犯人が30日に逮捕されたと思ったら、1日に今市市で、同じく小学校1年生の女の子が行方不明、死体となって発見されるという結果になりました。いずれも下校途中、危険が少なそうに見える静かな町はずれや田園地帯の通学路での事件です。

いったい何で、彼女たちが殺されなければならないのか、彼女たちの両親の気持ちを考えると、感情移入してしまって、本当に涙が落ちてきそうになります。本当に悔しいし、犯人への憎しみの気持ちは強く深い。ひどすぎます。

今市の事件では、以前から周辺で、不審者が出没していて、下校途中の子どもに下半身を露出するといった小さな事件があったようです。広島でも危険の兆候はあったようで、地域を挙げて防犯に取り組んでいたところの事件と報道されました。いきなりの事件ではなく、予兆があったわけです。きちんと対応していれば、あるいは最悪の事態は防げたかもと思うと、よけいに悔しさが募ります。

僕が住む東京目黒の住宅街でも、同じような不審者の出没は頻発していて、マンションの階段で下半身を露出された、空き家の塀のすきまから庭先に引き込まれそうになった、公園で腕を捕まれて殴られたなど、ひどい話を聞きます。大都会ではいろんな人物が混在しているからと言う思いもありますが、八ヶ岳の農村部でも同じような話を聞き、気になっていました。今市の事件現場の写真を見ると、六兼屋のあたりととてもよく似ていて、こんな農村部でも本当に事件が起きるのだと思うと、六兼屋にいるとひとりで田んぼに散歩にいったりする娘が、これまで無事に戻ってきたことが奇跡のように思えるのです。

新潟で10年近くも少女を監禁した事件がありましたが、あの事件も田んぼの続く農道を下校していた少女をクルマにむりやり乗せて、連れ去った事件でした。止まっている車の脇を歩いて通り過ぎようとした少女を一瞬でとらえ、トランクに押し込むという、ほんの2?3分の犯行です。

こういった事件を防ぐために、僕らはなにができるのでしょうか。

娘の学校でも、多くの親たちは問題の重要性を気にしていて、学校にも警察にも訴えていたのですが、どちらも動きは鈍いものでした。学校は、性器露出などの被害にあっても、「報告を受ける」という程度の対応で、事件があったことを全校の家庭に報告することさえなく、被害にあった身近な親たちがクチコミで「気をつけようね」という程度でした。その後、件数が増えてきて、学校も要約、事件があったことをプリントで配布することになったのですが、初めは事件発生からプリント配布までタイムラグがあり、親たちはいらだちました。

僕と妻はこういうトラブルには敏感なので、「同じマンションで被害があった」という話を聞きつけて、「連絡用に携帯を持たせたい」と学校に交渉し、学校を出るときに電話をさせるようにしていました。誰か一緒に帰れる友だちがいるかを確認し、友だちがいないようなら、迎えに出るようにしていました。こちらも同時に家を出れば、5分後には出会えるし、途中までは校門から見える道なので、何かあるとしても2?3分の間だと考えたからです。でも、これらの事件を見ると、犯行はほんの数分ですから、安心を確保するのは、本当に難しい。

僕らの場合、僕も家で仕事をしている日も多いし、妻も専業主婦ですから、こういった対策ができますが、共働き家庭の母親は本当に心配そうでした。家に着くとすぐに電話するようにと子どもには言うわけですが、子どもは忘れがちだし、携帯を持たせられるとも限りません(経済的にもそうだし、物をなくしやすい子どもだと持たせられない)。子どもから家に着いたという電話がかかるまで、毎日心配というのが母親の気持ちだと思います。

父親の方は、こういう母親の気持ちをどこまで理解できているでしょうか。「それが母性という物だ」と言ってしまうのは簡単だし、僕にしても、妻ほどは心配しきれない面があります。でも、同じ親なんだし、父親も、子どもの下校時刻には「今日は無事かな?」と気にするぐらいの心遣いが当然なのかもしれません。

学校の対応の続きですが、不審者が気になりだしてから3年目ぐらいになって、区から防犯用と称して笛が配られました。「防犯ブザーじゃないのかよ?」と思っていたら、翌年、防犯ブザーが配布されました。このあたりも認識の低さが見え隠れします。僕らはすでに持たせていたので、まあどうでもよかったのですが。携帯電話にしても、他の親は「持たせたい」と言っても担任に拒否されていたようです。僕はこういうことについては絶対にゆずらないので、学校にいってあの手この手で(ピラミッドストラクチャと因果の構造図を駆使して(^^;)説得し、持たせる権利を獲得しましたが、他の親たちは学校に言われるとすごすごと引き下がってしまうので、学校に持たせることができないのです。

警察も、今ひとつ頼りになりません。一度管轄の警察署に話を聞きにいったのですが、「何か事件があれば110番してくれ」というわけです。もちろんしますが、地域の防犯には協力してくれないのでしょうか。せめて、事件の情報を集約して公開してほしい(プライバシーに反しない範囲で)といったのですが、色よい返事はありませんでした。よく言われるとおり、警察は「事件が起きないと、動かない」組織なのです。

対策としてよく、「地域で防犯」といわれますが、広島の事件も防犯活動がされている地域での事件だし、子どもが一人になる瞬間をすべて誰かが見ているというわけにはいきません。それでも、僕の地域でも、たくさんの人が「防犯パトロール」の看板を突けた自転車やバイクに乗るようになりました。親のママチャリ、蕎麦屋の出前バイク、新聞配達のバイク。少しは安心感があります。

集団下校は有効ですが、みなが同じ時間に帰れるわけではないし、低学年の子は残らなければならず、負担になります。いろいろ考えると、結局は自分の子どもは自分で守るしかない、ということなのでしょうか。これも子育てに必要な親の役割なのだとしたら、子供をつくることの負担はさらに大きくなってしまい、少子化も加速してしまいそうです。

有効な方法が提案できず、本当にもどかしい。

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