(by paco)243 日本にもユダヤ人が来ていた?

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日本の中のユダヤ文化

というのを読んでまして、そのからの受け売りです。ユダヤの話は日本に飛び火します。

学校の歴史の教科書では、日本にキリスト教が伝来するのは、安土桃山時代にイエズス会によってだということになっています。しかしこの本のように、もっと以前の2?3世紀、大和朝廷にいたる前の段階で、日本にはユダヤ教やキリスト教が伝来していたという説を唱えている本です。

この本は、古代日本にユダヤやキリスト教文化が伝来していた証拠として、京都に3本足の鳥居(三角柱のような)があり、それがキリスト教の三位一体説(神と子イエス、精霊がいったいであるという説)を象徴しているものだと説明しています。

また日本のアマテラスは、ユダヤ?キリスト教の「唯一神」にあたり、神道はユダヤ教をルーツに持つと説明しています。

まだ途中までしか読んでいないので、どこまで証拠を出せているのかわかりませんが、まあ、それなりに説得力はあるというレベルでしょうか。

僕が考えたことは、こんな感じです。古代日本にユダヤ教やキリスト教が伝わっていたことは、とても自然なことです。キリスト教が中国まで伝わっていたことはわかっているので、そこから日本に伝わっていたとしても、不思議ではありません。古代日本は朝鮮半島とかなり一体化していた節があり、大陸からある一族が渡ってきて、彼らが持っている文化や技術をセットで獲得するために、日本の権力者が彼らに特権を与えて保護したという行動は、奈良時代までの日本ではよくあったことなのです。そんな一族の中に、ユダヤ教の文化やキリスト教文化を持った人がいても不思議ではありません。

ユダヤ教やキリスト教は、紀元1世紀以降、帝政ローマから繰り返し迫害を受け、それにめげずに布教して広がっていった経緯があります。この時代はユダヤ教も同じような行動をとっていました。布教はエルサレムの西側、つまりローマ帝国側だけで行われたと考えるのは不自然で、東側のペルシャや中央アジアでも行われ、それがシルクロードに乗って中国、日本までたどり着いたとしても、否定する理由はないでしょう。ちなみに、奈良時代までの古代には、インドからは仏教、ペルシャからはゾロアスター教も流れ込んでいて、火を神格化するゾロアスター教の教義は、現在までもなら東大寺二月堂の「お水取り」の火の神事につながっていると言われています。であれば、ユダヤ教やキリスト教が、日本にも入ってきたとしても不思議はないでしょう。

ただ、これをもって「古代日本はユダヤ教だった」「日本人のルーツはユダヤ人」という説は、広げすぎというものです。というのも、ここがユダヤ人のアイデンティティをどう考えるかという点になるのですが、ユダヤ人のユダヤ人たるゆえんは、異民族の間に入っても、宗教のみならず、生活習慣や生活の規範(いわば法律)まで自分たちのアイデンティティを守り、聖書と立法に従って生きるという頑固なこだわりにあります。たとえば豚肉を食べないというようなことも、そのひとつです。しかし誇大に日本にやってきた「ユダヤ人」たちが、その後もユダヤ的なアイデンティティを守り続け、他の日本人とは異質な人々であり続けたという事実はないし、日本全体がユダヤ教徒になってしまったわけでもありません。

とすると、古代にユダヤ文化が日本に入ってきていたのは事実としても、そしてそのぶんかが日本の文化形成に何かしら影響を与えていたとしても、それをもって「日本人のルーツはユダヤ人」とまではいえない。もしいえてしまうと、お水取りを例に挙げて、「日本人のルーツはペルシャ人」といえてしまうことになります。

ということで、日本の古代と、ユダヤのアイデンティティについて考えてみましたが、世界は古代でも、ずいぶんダイナミックにつながっていたのですね。

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